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あゆみ

あゆみ

今日は朝から小説を書いたり、童話を作ったりしています。

『魔法の指輪とふしぎな旅』

あるところに、ミアというごく普通の少女がいました。
ミアは小さな町に住み、毎日学校に通ったり、森でお花を摘んだりして、静かに暮らしていました。

ある日のこと。
ミアは学校の帰り道、森の小道を歩いていると、草むらの中で何かがきらりと光るのを見つけました。

「なんだろう?」
しゃがみこんで手を伸ばすと、そこには小さな銀色の指輪が落ちていました。
指輪には、見たことのない不思議な模様がぐるぐると彫り込まれていて、触れるとほんのり温かいのです。

ミアは、ついその指輪をはめてしまいました。
すると――

ふわり、と風が吹き、森の景色がぐにゃりとゆがみました。
そして、目の前には見たこともないカラフルな世界が広がっていたのです!

こうして、ミアのふしぎな冒険が始まったのでした。

ミアがあっけにとられて立ち尽くしていると、
目の前にふわふわと浮かぶ小さな光の玉が現れました。

「こんにちは、ミア!」
光の玉が、きらきらした声で話しかけてきます。

「ぼくはリィル。この世界の案内人さ。
君がその指輪を拾った時から、運命が動き始めたんだ。」

ミアは驚きながらも、思いきって聞きました。
「この指輪は……何なの? 私はどうしたらいいの?」

リィルはふわりと回りながら答えました。
「その指輪は**〈願いを叶える力〉を秘めているんだ。
だけど、力を使うには心からの願い**を見つけなきゃいけない。
そして、この世界を救う使命もあるんだよ。」

「世界を救う……?」
ミアは、まさか自分がそんな大それたことをするなんて、信じられませんでした。

でも、心のどこかでわかっていました。
この出会いには、きっと意味がある。

リィルは続けます。
「まずは、最初の試練を受けてみよう。
それは――**『本当に大切なものを思い出す』**ことだよ!」

ミアは、小さな決意を胸に、リィルとともに一歩を踏み出しました。

ミアとリィルは、指輪の光に導かれるように、森の奥へと歩き始めました。
さっきまでの小道とは違い、森の中はふかふかの苔におおわれ、木々は空高く伸び、葉っぱの間からやわらかい光がこぼれています。

しばらく歩くと、どこからかふしぎな鳴き声が聞こえてきました。

「リィル、今の音……?」

リィルはにっこりして(光の玉だけどそんな感じで)、言いました。
「さあ、行ってみよう!」

ミアが草をかきわけて進むと、そこにいたのは――

小さな白いきつねと、
羽のあるうさぎと、
しゃべるカメたちでした!

白いきつねは、すっとミアに近づき、低い声で話しかけました。
「おまえが、新しい指輪の持ち主か。」

「えっ、知ってるの!?」

ミアが驚くと、羽の生えたうさぎが、ぴょんぴょん跳ねながら言いました。
「この森では、指輪の光が見えるんだよ!
あなた、きっとこの世界に希望を運んでくれる人だって、みんな待ってたんだ!」

カメはのんびりと首をのばし、
「でも、まだ心が迷っているな……」
と静かに言いました。

ミアは、胸がどきん、としました。
たしかに、自分にはそんな大きな役目、できる自信なんてない。
それに、本当に一番大切なものが何なのか、まだよくわからない。

白いきつねは、優しくミアを見つめて言いました。
「焦らなくていい。まずは、森に住むみんなを助けてごらん。
小さな優しさが、やがて大きな願いを見つける道しるべになるだろう。」

ミアは、ぎゅっと指輪を握りしめました。
そして、静かにうなずきました。

「うん。やってみる。」

こうして、ミアは動物たちと力を合わせ、森を救うための小さな冒険を始めたのでした。

ミアと動物たちは、森の奥へと進みました。
すると、目の前に――どーん!――と、
太い大木が道をふさいで倒れていました。

「わあ……こんなに大きな木、どうしよう。」
ミアは立ち止まってしまいました。

羽のうさぎが、ぴょんと飛び跳ねて言いました。
「この先に、森の水源があるんだ。
でも、大木がふさいでしまって、森のみんなが困っているの!」

白いきつねも真剣な顔で言いました。
「水がないと、森はすぐに枯れてしまう。
このままじゃ大変なことになる。」

カメはのっそりと歩きながら、
「ミア、指輪の力を使ってごらん」とすすめました。

ミアは、胸に手をあてて考えました。
「どうか森のみんなを助けたい。
どうか、この大木を動かす力を――」

そう心から願ったとき、指輪がほわっとやさしく光りました。
すると、不思議なことに、森の風がざわめき、
木々たちがざわざわとささやき始めたのです。

そのときです。

大木のまわりの根っこが、ふわりと持ち上がり、
まるで森じゅうが協力するように、
大木をゆっくりと持ち上げてくれたのです!

ミアはびっくりしましたが、すぐに動物たちと声を合わせました。
「みんな、あと少しだよ!」

白いきつねが力強く踏ん張り、羽うさぎが応援し、
カメがじっくりと支えました。

そして――
ごとん!
大木は道の横に転がり、道が開かれたのです。

「やった!」
ミアと動物たちは、顔を見合わせて笑いました。

リィルがふわふわと近づいてきて、にっこり言いました。
「ミア、君の願いは森にも届いたんだよ。」

ミアの胸の奥が、ほんのりあたたかくなりました。
少しだけ、自分にできることがあるかもしれない。
そう思えたのでした。

森の道が開かれたミアたちは、元気を取り戻して水源へと向かいました。

森の奥へ進むにつれて、空気はどんどん冷たくなり、
大きな葉っぱたちがささやき声をあげはじめました。

「気をつけて、ミア」
白いきつねが、ふと立ち止まって言いました。
「この先には、意地悪な魔女が住んでいるって、昔から言い伝えられているんだ。」

羽うさぎも耳をぴくぴく動かして不安そうです。
「森の水源を自分のものにしようとして、みんなを困らせてるんだって!」

ミアは少し怖くなりましたが、指輪をぎゅっと握りしめました。
「でも、行かなくちゃ。森のみんなのために!」

そして、リィルがそっと勇気づけるように光を放ち、みんなでさらに進みました。

やがて、水のきらめく音がかすかに聞こえてきたとき――
突然、目の前にもくもくと黒い霧が立ちこめました!

霧の中から現れたのは、
とがった帽子に黒いマントをまとった、意地悪そうな魔女でした。

「ふふふ、よく来たわねぇ。
でも、この水源はわたしのもの。誰にも渡さないわ!」

魔女は大きな杖を振りかざし、地面にバチバチと魔法の火花を散らしました。
羽うさぎも白いきつねも、怖くて後ずさりしてしまいます。

リィルが小さな声でミアにささやきました。
「ミア、信じて。君の心からの願いが、指輪の力を目覚めさせるんだ!」

ミアは、震える手で指輪を見つめました。

「森のみんなを守りたい。
このきれいな水を、みんなで分け合いたい……!」

そう願ったとき、指輪がぱあっと強く光り――
ミアの周りに、まぶしい光の壁ができあがったのです!

魔女は、思わず目を細めて後ずさりしました。

「なに……この光は……!」

ミアは一歩、前に出ました。
今度は、もう怖くありませんでした。

ミアのまわりに広がった光は、あたたかくて、でもとても強い力を持っていました。
魔女はにらみつけながら杖を振りかざしました。

「そんな光、すぐに消してやるわ!」

バチバチバチッ――!
魔女が放った黒い雷のような魔法が、ミアめがけて飛んできました!

でも、ミアの指輪の光がそれをふわりと包み込み、
雷はやさしい光に変わって、森の大地に静かに溶けていきました。

「な、なにっ……!?」
魔女は焦って叫びました。

リィルがミアにささやきます。
「ミア、戦うっていうのは、力で押しつぶすことじゃないよ。
君の中のやさしさと願いが、光になって守ってくれるんだ!」

ミアは深く息を吸い込みました。

「森のみんなと一緒に生きたい。
水も光も、誰かひとりのものじゃない。
みんなで分け合いたい!」

その言葉に呼応するように、ミアの指輪から、
大きな光の波があふれ出しました!

波はやさしく、でも強く魔女に向かって押し寄せました。

「うわぁぁぁぁっ!」

魔女は光に包まれ、杖を落として、ばたんと尻もちをつきました。
そして、すっかり魔力を失ってしまったのです。

ミアは、そっと魔女に手を差し伸べました。
「……水も森も、一緒に守ろうよ。
あなたも、本当はひとりぼっちになりたくないんでしょう?」

魔女はびっくりした顔でミアを見上げ、
やがて、ぽろりと小さな涙をこぼしました。

「……私も、誰かと一緒にいたかっただけなのかも。」

ミアは、にっこり笑いました。
リィルも、きつねも羽うさぎも、あたたかく見守っています。

こうして、ミアは力だけじゃなく、心の力で森を守ったのでした。

魔女は、そっとミアの手を取って立ち上がりました。
さっきまでの意地悪そうな顔はすっかり消えて、
どこか寂しそうで、でもやさしい目をしていました。

「ごめんね……。
森を独り占めにしたかったのは、私がひとりぼっちで、さみしかったからなの。」

ミアはにっこり笑って言いました。
「これからは、みんなで一緒に森を守ろう!」

白いきつねも、羽うさぎも、カメも、リィルも、うれしそうにうなずきました。

それから、ミアたちは魔女と一緒に、
倒れた木を片づけたり、
汚れてしまった小川をきれいにしたり、
水源まわりに花を植えたりしました。

みんなで力を合わせると、
不思議なことに、水源の水はますます澄んで、森じゅうにきらきらと光の粒が舞い始めたのです。

小鳥たちはさえずり、
花はゆらゆらと揺れ、
森は生き生きと祝福を受けたように、輝きました。

リィルがふわりとミアの肩に乗って、ささやきました。
「ミア、君の願いは本当に叶ったね。
やさしさは、世界を変えるんだよ。」

ミアは、あたたかい気持ちで空を見上げました。
指輪は、もう光をおさめて、静かにミアの指に輝いています。

こうして、普通の少女だったミアは、
森に希望をもたらした小さな勇者となったのでした。

――そして、これからも、森の仲間たちとともに、
やさしい光の中で生きていくのです。

おしまい。

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