文化芸術の普遍性がどこに書いてあるのかと訊かれたら、私は和辻哲郎『古寺巡礼』を推します。近現代の日本人に最も広く読まれた芸術鑑賞に関する書物なので、そこに示された価値観は共有されているものと思われるからです。実際に仏像を鑑賞するという近現代人の行動に決定的影響を与えています。