知られざる世界：茶道外の若者が経験した伝統的なお茶会の秘密

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踊らない

2024/07/29

まだ20代の頃、茶道は習ってないけど
けっこう偉い感じの人達がスーツや着物で集まるお茶会に出入りさせてもらってた時期があって

お茶会の流れの中に
四畳半の茶室で抹茶をいただいた後、茶人の話と共にその日のしつらえや道具を皆でかこんで拝見する時間があるんやけど
なんか全然よくわかんないし、俺までかしこまる必要もないかなとか思っちゃって、

それで凄い古い茶碗とか見せさてもらいながら
かっこいいと思ったやつに「めっちゃヤバイっすね」「これはヤバイわ」って馬鹿みたいに連呼してた。

そうするとその茶人の先生に
「ヤバイってどういう事？」と尋ねられ

「"ヤバイ"っていうのは─────

"格好いい"とか"凄い"、"楽しい"とか"美味しい"とか、驚きや称賛の感情を一言では表せない時に使います。
シーンは問いません、最近はみんな使いますよ、
若者言葉の定番ですね」

と、丁寧に説明したら「ほ〜」って凄くにんまりした笑顔をしたあと
次の道具を見せてくれる時におもむろに道具を差し出しながら、悪い顔して

「これは"ヤバイ"よ─────」

って、場一同の笑いかっさらっていって
俺もめちゃくちゃ笑って、
この人わかってるやん（何様）って思って
その後しばらくの間俺は生徒でもないのに、その人の水屋（お茶会の準備する場所）に通って手伝いながら色々教えてもらってた。

そっちの世界では立場的にかなり偉い人だったけど、変に威張ることもなく、とにかく話が面白くやっぱ人を束ねてるだけあるなと思った。
（最後まで何様）