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みおこんぼ
「その人をその人足らしめるもの」①
私は相貌失認症です。生まれつきそうだったもので、それが普通で当たり前の世界だと疑いもせずに育ちました。
ただ、人の顔を覚えるのが苦手、表情を読み取るのが苦手、それだけのことです。
同じ相貌失認症でも、きっと感覚には個人差があると思います。私の場合は、人の顔が覚えられないぶん、相手の声や仕草、立ち振る舞い、服の感じ、全体的な雰囲気を感じ取るのが上手でした。
私が今、保育教諭の仕事をしているのは、その能力を最大限に活かすことができるからです。
お子さまは生まれた時から個性の塊ですから、その全体的な特徴が際立ちます。
私はお子さまの些細な変化を察知する能力に長けており、クラスを眺めるだけで具合の悪いお子さまの動きが見えます。いつものその子らしくない動きが、違和感となって私にはよく見えるのです。いつもとは違う、些細な風邪症状も、傷も、私には違和感となり浮き出て見えました。もちろん、些細な心の動きも。
そんな私が中学生だった時の話。
クラスメイトのAちゃんは、クラスの人気者でした。当時引っ越してきたばかりの私が、1番最初に名前と動きとを結びつけて覚えることのできた、いわゆる目立つタイプの女子でした。今だと陽キャ、というのでしょうか。華やかで、休み時間などよく教室に響き渡る笑い声を上げて、クラスの誰よりも目立ち、友人も多く、異性にも人気があるようでした。私はというと、真逆の女子だったと思います。
#怖い話 #不思議な体験 #不思議な話 #需要あるのかなぁと思いながら投下

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