高速道路の怪異：グラ民の深夜ドライブ体験談

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꙳𓂅☄︎𖠋ᐝ𝕜𝕒𝕚𝕚༻

2023/07/05

#グラ民の事件簿

少し昔のことだ。
当時私は仕事の関係で早朝高速道路を走る事が多かった。

ある日のこと。
私は殆どの場合3車線の真ん中を走るのだが、左車線から大型トラックが追い越しに入った。
コンテナを乗せるタイプの大型。だが、コンテナは積まれていない状態だった。

追い抜かれた瞬間、荷台から落し物だ。
短めの角材。恐らく輪止め用の物であろう。
瞬時に確認。
それが目の前に落ちてくる。

右車線へ逃げようか。
いや駄目だ急ハンドルになる。
左、車両が来ている。逃げ場がない！

乗り上げたらどうなる！
咄嗟の判断は、角材が自分の車の中心軸を抜ける様にラインを整える事だった。
それが精一杯の回避方法だった。

角材は落ちた衝撃でバウンスしていたのでフロントのフェンダーには当たってしまったが、私の車は切り抜けた。

もしも乗り上げていたら横転事故。
最悪はベイブリッジから海へdive 。

何事もなかったかの様に車は進めたが、
何処の会社のトラックだったかを確認する間などなかった。
私に後続車が居なかった事も、取り敢えずは不幸中の幸いであろう。

人間とは不思議だ。
人間の脳とは不思議だ。
これがたった2秒程度の時間の間の出来事なのだから。

良く死の直前に「走馬灯のような」と云う表現が用いられるが、正に其れは起きた。今は忘れてしまっているが、色々な事柄が頭を貫いた。

そして、危機回避能力。的確な判断もできるものなのだと知った。

高速走行中の死の回避には続編があるが、今回はこの一件のみ書き残すことにする。

fin.