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雪
広い世界の中で自分を雁字搦めにしていた。常識に怯え、合わない自分を密かに矯正し、無知な自分を酷く恥じてきた。そして"知ってる側"に回ったと確信した時に安心してきた。「私はもう大丈夫だ」と。
けれど大丈夫って、なんだろう。
そんなものは脆い安心感でしかない。それらは元を辿ると「恥」という感情が起点となっていることに気付く。恥をかきたくない。人の中で浮きたくない。「あの人、ないよね。」と他人から距離を取られたくない。
独りになり、置いていかれるのが、怖い。
実に、人間だ。人間的な悩みだ。
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