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ミロク
舞台はスコットランド北西に浮かぶ孤島、グルイナード島。
風に削られた岩と荒々しい海に囲まれ、かつて生物兵器の実験場だったその島は、今も不気味な静けさと霧に包まれている。
波の唸りと海鳥の叫びが、島の孤独を強調していた。
岩礁の上に立つ大鯨。白黒のアシンメトリーヘアが湿った風に揺れ、白黒のオッドアイが霧を貫く。
白い肌に映える白黒の軍服――まるでシロナガスクジラのような風格。手には「深淵の牙」と名付けられた巨大な三叉の銛。
彼はこの島の守護者として、自然と共にあり、侵入者を決して許さない。
霧の向こうから、ひとりの男が歩み出る。
ナイトバロン。褐色の体、黒髪、灰色の瞳。ホモゲイ討伐チームの教父であり、秩序を掲げ島の浄化を目指すイギリス系アジア人だった。
その声は教会の説教者のように整っているが、感情が昂ぶると広東語が滲む。
「The gay has appeared. You’ve completely lost all sense of morals, ethics, and aesthetics, so just die already.」
「道徳もモラルも…欠けてるのは君の方だよね……」
その声は低く、深く、まるでクジラの遠吠えのようだった。
ナイトバロンは眉間にしわを強く寄せ、広東語で吐き捨てる。
「呢下真係考驗做人嘅智慧呀!!!!」
霧の中、戦いが始まる。
ナイトバロンは優雅に二本のレイピアを抜き、貴族のように構える。だが、その身のこなしは獰猛だった。
「我去咗學校就係我贏!!!!你就係輸家呀!!!!」
「大人気無さ過ぎ!!!!」
大鯨が銛を振り下ろすと、大地が震え、海が応えた。水柱が轟音とともに立ち上がる。
ナイトバロンは身を翻し、鋭い一閃で大鯨の軍服を裂く。白黒の布が散り、白い肌に浅い傷が走った。
「就連所有種類嘅動植物都話識基本嘅嘢呀!!!!」
「失礼過ぎないかなぁ!!!!????」
波が荒れ、岩が砕ける。
大鯨の動きは重く、海がそれに呼応する。
ナイトバロンは跳躍し、大鯨の腕をかすめる。血が滴り、霧の中に赤い筋を描いた。
夜が深まり、月光が霧の中に滲む。
大鯨のオッドアイが青白く輝き、ナイトバロンの灰色の瞳が冷たく返す。
「連四隻腳行路都唔識嘅你,識啲咩呀!?」
「あのね、私、四足歩行やらないから。てか、何ソレ!!?」
ナイトバロンは舌打ちし、レイピアを握り直す。
「向戰艦、命名嘅人、所有海洋生物同埋寫呢句嘅作者下跪認錯!!!!」
「意味わからないこと言うのやめようか????」
再び刃がぶつかる。銛が岩を砕き、レイピアが霧を裂く。
その刹那、大鯨が海へ呼びかけた。島全体が唸り、巨大な波が立ち上がる。
ナイトバロンはその波に飲まれ、岩に叩きつけられた。立ち上がろうとするその前に、三叉の銛が突き立つ。
「……もういい」
血に染まりながら、ナイトバロンは真顔で見詰める。
「讀者個頭俾你整污糟咗,快啲道歉啦」
大鯨は冷たい視線のまま、彼を見下ろした。
「……」
ナイトバロンは波に流され、霧の彼方へと消えていく。
大鯨は肩に銛を担ぎ、静かに月を見上げた。
「……怠い」
霧が再び島を包み、波の音が静かに響く。
そのざわめきは、大鯨の勝利をたたえるように聞こえた。
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