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K
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「自分、あの人、何歳やと思う」
「……分かりません」
「ワシも知らん
でもな、年齢当てクイズで踊っとるわけちゃうねん」
彼女は思わず苦笑した
「でも、あの人みたいになるには……」
「なる必要あるんか?」
「え?」
「自分は自分や
まず“なりたい”言う前に、“やってみたい”言うたやろ」
胸に、さっきの言葉が戻ってくる
――私も、やってみたい
「ワシな、自分の人生、めっちゃ根性あると思うで」
「……そんなこと、言われたことないです」
「そらそうや
根性ある奴ほど、自分を褒めへん」
男は彼女をじっと見た
「自分、高校出てから何年、借金背負って働いた」
「……十四年です」
「十四年やぞ
逃げもせんと、投げもせんと
それな、“青春を棒に振った”んちゃう
“誰かの人生を背負った”んや」
その言葉に、目の奥が熱くなった
「ワシから見たらな、自分はもう十分、ハードモードの人生クリアしとる」
「……クリア、ですか」
「せや
ほな次、何するか言うたら、“自分の番”や」
男は指を一本立てた
「最初の一歩、教えたる」
「……何をすればいいんですか」
「ダンススクールの体験レッスン、予約せぇ」
「い、いきなり!?」
「当たり前や
考え始めたら、自分は一生スタートラインで老ける」
彼女は笑ってしまった
怖くて、でも、少し可笑しかった
体験レッスン当日
鏡張りのスタジオ
若い人ばかり
レギンス姿の自分が、場違いに見えて、足がすくむ
「……やっぱり帰ろうかな」
「ほう、十四年戦った奴が、ここで逃げるんか」
黒い服の男が、ロッカーの前に立っていた
「ここ、来た時点で、自分もう一歩目踏み出しとる
転んでも、もう“ゼロ”には戻らん」
その言葉に、背中を押され、彼女はスタジオに入った
#希望 #自作小説


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