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すずめ

すずめ

昨日はたくさん寝た。
とにかく眠くて、寝る事以外やりたくない、そんな一日。
清潔だけあれば良い。
食事も家にある作り置きや果物、お菓子でも良い。とにかく寝ていたかった。

変な夢を見た。
夢の中、私はベリーショートにしていて、癖毛もそのままにグリースで整えるだけ。Tシャツにスキニーパンツ、かつて好んで履いていたマーチンのようなブーツという、ボーイッシュないでたちで忙しく過ごしていた。
息子のお世話をしているのだが、その息子もまだ4歳くらいと現実の息子とはかけ離れていて。おやつを食べ散らかしたり、遊びに夢中で駆け回る息子を追いかけては食べカスを払ってあげたり、汚れをとったりと忙しかった。
片手間でスマホを使って仕事の事も片付けていたり、大事な法事の予定を入れ忘れている事に気づいて母に連絡を入れたりと、自分や家族の事にも忙しくしている。
そんな夢の中で、久しぶりにあなたが夢の中に出てきた。
慌ただしく過ごす私の前に、ゆっくりと現れて、私と目が合うとただこちらに向かって手を挙げる。
息子は私に何か必死に語りかけるのだが、私は焦ってしまい。少し待ってと宥めるも、まだ4歳の子が待てるわけもなく。
こちらに向かって歩いてくるあなたに緊張をしていた。
髪も切ってしまった。私は気に入っているけど、ぐしゃぐしゃに見えるかもしれない。服も公園遊びのために動きやすい服にしてしまった。私はお気に入りだけどみすぼらしく見えるかもしれない。化粧だって特に何もしてない。
慌てて髪を整えて身を硬くする私よ居るベンチに腰掛けて、何も距離も感じさせずに何かを話しているあなたの声が聞こえない。
息子は何か私に見てほしいのか叫ぶような声で嬉しそうに私の事を呼ぶ。少し待って、後でゆっくり聞くからね。と宥めても宥めても息子の声は止まない。そんな中スマホがけたたましく鳴り出して、母かおそらく仕事先からの電話で、スマホを探してるうちに。
あなたは諦めたように悲しそうに笑って背中を丸めて行ってしまった。
ちょっと待って。と立ち上がると、振り返って立ち止まってくれたあなたの顔がすごく悲しそうな顔をしていて。息子の手を取りながら近づき、頬に触れて話せた。
少し待ってて。ゆっくり話したい。
その言葉を聞いて、少し表情を緩めてうなづいてくれた。
ベンチに戻り、落ち着いた息子を遊ばせながら仕事の電話、母からの連絡に一区切りをつけるようにあくせくとしている私の事を根気強く待っていてくれるあなたを、私は横目で見ながら時折謝ったり、目配せでもう少しかかると伝えていた。
落ち着いた頃には空は夕暮れ時になっていた。
そろそろ帰らなきゃと言うあなたに、そっか、としか言えなかった。

ごめんね。
そう言うとあなたは背中を丸めて、行く場所がわからないかのようにしょんぼりと帰ってしまった。
息子が早く帰ろうよ、と私の腕を引っ張る。
だけど、私は帰れなかった。
痩せた犬のような背中が見えなくなるまで、ずっと見ていた。

そんな夢。
慌ただしい夢だった。
起きた時にじんわりと汗が出ているくらいに焦らされた。

なんとなく、今日、その夢を思い出していて。
夢の中で会えて嬉しいと思った。
あの時向き合って話をしていたら、あなたはどんな話をしてくれたんだろうね。
あなたが話してくれるなら、例え夢の中でも聞いてみたかったな。

夢は深層心理。夢の中のあなたは私の心が作り出したあなた。
夢で会うのは意識をあなたが飛ばしているから、ともいうわね。

あなたとの話にまだ続きがあるのなら、あのしょんぼりとした、痩せた犬のような、迷子の子供のような背中が語る話を聞けるのかしら。

もう少し髪の毛を伸ばしたら、ベリーショートにしようかしら。
とっても良いと思うの。あなたがこの気持ちを断ち切れと言うのなら、良い未練の切り方だと思うわ。
私も、少しずつ進みたいの。急には無理でも一つずつ。

どうかあなたが、日々ゆっくりと眠れていますように。休息を取れていますように。
また夢で会いましょう。
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