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ハサン

ハサン

日本に来てから、毎日ポストを確認するのが、私の不思議な日課になった。

ここでは必要な書類や通知、手紙はすべて郵便で届く。でも、私のポストには一番多く年金サービスの手紙が届く。同じような封筒ばかり続けて見るのは、正直少しうんざりしていた。


今日もいつもの習慣でポストを開けると、驚いた――

前にカラフルな封筒があり、その表面には私の顔が完璧に描かれていた。

まるで芸術家の手で、本当に私が生きているかのように細かく描かれている。

片隅に私の住所は書かれているが、差出人の名前はない。


それでも、心のどこかで不思議な確信が生まれた――

これはきっとあかりからだ。

あの子なら、こんな不思議で驚くようなことをするのも不思議ではない。


待っていられず、慌てて封筒を開けた。

中から出てきたのは、丁寧な文字で書かれた美しい手紙――



---

親愛なるハサンへ、


花火の夜、空に咲いた花火の色は、今も胸の奥で輝いている。

そしてその光の中で、私の隣に立っていたあなたの影を、何度も思い出す。

あの瞬間の光、あなたの横顔、そして私の胸に残った鼓動――

どれも消えることなく、今も私を締めつけている。

眠ろうとしても、心はあなたを呼び続ける。


でもさ、あの花火の夜から、一度もあなたのところに行けなかった。

あの日、勇気を出して心を開いて話したのに、その後、なぜか前に進むことができなかった。


正直に言うと、私は怖かった。

もしあなたに拒絶されたら、もし距離ができたら――

そんな恐怖と迷いが胸を押さえつけ、知らず知らずのうちにあなたの前に立つ勇気を失ってしまった。


それでも、心の中ではいつもあなたのことを考えていた。

空を見上げると、あの夜の花火がよみがえり、

こっそりあなたの名前を口に出してしまう。

一人で歩きながらでも、電車の中で揺られながらでも――

突然、思うの、ハサン、会いたいって。


私が行けなかったことで、あなたを傷つけたかもしれない。

本当にごめんなさい。

でも、誤解しないで――私はあなたを忘れたわけじゃない。

むしろ、あなたのことを考えれば考えるほど、怖くなってしまった。

あなたは私にとってとても大切だから、壊れるのが怖くて、後ろに下がってしまったの。


ハサン、私は毎日あなたに会えなくても、あなたのことをとても恋しく思っている。

あなたが遠くにいても、私の心はいつもあなたと一緒にある。

信じていてね。

私は逃げていない、ただ勇気が足りなかっただけ。


きっと近いうちに、また会える。

そのときはもう逃げない。

あなたの目を見て言う――

すごく会いたかったと。


---あかり


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手紙を一息で読み終えると、胸の中に不思議な安らぎが広がった。

まるで世界全体が新しい色に染まったようだ。

私はあかりを恋しく思うのは私だけだと思っていたが、違った――あの子も同じように私を探していたのだ。


思わず空を見上げて叫びたくなる――

あかり…君に、どうしても会いたい。会いたくて、会いたくて、たまらない!!



"あかりからハサンへの手紙"
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