中川は先ず打ちたい球をハッキリさせよう｜ものぐの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

ハロウィンのハヤシライス
数日前、スーパーで豚こま肉が割引になっているのを見つけた。「これは買うしかないな」と思い、迷わず籠の中へ。たっぷり買った肉はその日のうちには食べきれない。だから、いつものようにフードプロセッサーを取り出してミンチにした。
モーターの音が心地よく響く。このフードプロセッサーは、もう何年も使っているお気に入りだ。パワーが強くて、豚こまをミンチにするのもあっという間。仕上がったミンチを200〜300gずつに分け、ラップに包んで冷凍庫へ。少し手をかけておくだけで、後がぐっと楽になる。
そして、その冷凍しておいたミンチを使う日がやってきた。今日は義理の娘が職場の宴会でいない夜。夕方には幼稚園に孫を迎えに行き、ご飯を食べさせなければならない。
夕方は自分もやることがいくつかある。だから、バタバタしないように午前中のうちにハヤシライスを作っておくことにした。冷凍ミンチを解凍し、玉ねぎをじっくり炒めて、トマトの香りが立ち上る。ルウを溶かしてコトコト煮込むうちに、部屋いっぱいにあたたかい香りが広がった。「これで夜はゆっくりできるな」
午後は少し出かけて用事を済ませ、夕方、幼稚園へ。元気いっぱいに走ってくる孫の姿を見ると、疲れも吹き飛ぶ。
帰ってから温め直したハヤシライスをよそいながら、ふとカレンダーを見ると10月も半ば。「もうすぐハロウィンだな」そう思いついて、ご飯をおばけの形にしてみた。海苔で目と口をつけると、小さな白いおばけが完成。
お皿にのせて孫の前に出すと、目をまんまるにして笑った。「おばけだぁ〜！」スプーンを手にして、うれしそうにパクパク。その笑顔を見ていると、ただの夕ごはんが、特別な夜に変わる。
食後は、ママのいない夜を寂しがらないように、おもちゃの部屋へ。プラレールやメルちゃん人形全部引っ張り出して、二人で遊び疲れるまで笑った。
「今日はいっぱい遊んだなぁ」そう言うと、孫は小さな毛布を握りしめて、すぐに夢の中へ。
その寝顔を見ながら思う。料理はお腹を満たすだけじゃない。誰かを想って手をかける、その時間こそが心をあたためるんだ。
静かな夜、ハヤシソースの香りが、台所にやさしく残っていた。