分野問わずこれ系のオタクとは距離を置きたい｜えぬの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

長文注意#会社 #愚痴

勤務時間を計算しない私の会社。
遅刻しても、残業しても、みんな我関せず。

そんな我が社に謎の箱が届いた。

『社長、何か届きましたけど…』

「うむ、よきにはからえ」
『ヘェ』

面倒くさくて全てを投げる時、社長はそう返事をする。
よく分からないが、私はこの箱に関する案件を一任されたらしい。

箱を開けてみると、中から置き型の検温器が現れた。

「クラウドをついに買った」

どこがクラウドやねん。
どうみても会社の出入口に置くようなコンパクト検温器じゃないか。

「まる、お前は今日からクラウド大臣だ…！」

＼ﾖｯ　クラウド大臣！／
　　＼ﾆｯﾎﾟﾝｲﾁ!!／

あらぬ方向から、同僚じいちゃんの援護射撃が入る。

『これ、クラウドじゃないです』
「いいや！クラウドだ！！検温結果がクラウドに出てくるんだ！！」

社長は続けた。

「よその会社でな、
　事務所に入るとピッて鳴って、
　それで給料計算が出来るんだ！！
　画期的なんだ！すごいんだ！！」

『はぁ』

そんなわけで、【クラウドから落としたデータをもとに給料計算をする】というExcelデータを作ることになった。

「全てお前がやるのだ…！」

＼ﾖｯ　Excel大臣！／
　＼ﾆｯﾎﾟﾝｲﾁ！／

『・・・』

Excelデータを作っても、膨大な入力作業を要する。
それが毎月の作業になると、とてもじゃないが普段の仕事が出来ない。
そんなわけで、社長に頼んでＶＢＡの講習会に通う。全然わかんない。

講習会のチラシに【１時間の作業がたった１秒で！】と書かれてたのに、それを会得するまでが長い…。

ため息交じりで頑張る私に、同僚じいちゃんが声をかけた。

「まる、頑張れ…　頑張るのだ…！
　お前が頑張ることでな、
　俺たちが労働基準監督署に駆け込んだ時、
　そのデータが1日14時間労働していたって証拠になるんだ…！

　社長の見栄で買った検温器かもしれんがな、
　この検温器が自分の足元を掬うことになるなんて、あの社長は想像できていないだろうよ…！！」

だとしたら、
もしかしたら、この検温器が私の【残業代の計測器】になるかもしれない。

「お前はクラウド大臣でもExcel大臣でもない。
　反逆大臣・裏切者大臣・是正勧告大臣なのだ！！」

でもさすがにそんな大臣はいない。