夜の時間はすでに2時半。｜ハサンの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

夜の時間はすでに2時半。

深夜と言うべきか、それとも夜明け前の最後の時と呼ぶべきか、正直わからない。なぜなら、午前4時にはもう太陽が昇ってしまうから。

でも、全く眠くない。眠気はまるで姿を消してしまったかのよう。どれだけ頑張っても眠りに落ちることができない。

ずっと寝返りばかりしている。背中まで痛くなってきた。

もうこんなふうに寝転がっているのは無理だ。イライラしてきた。

だから、むしろ外を少し歩いてこようと思った。最近は、夜遅くに散歩に出るのが悪い癖になってきた。

眠れない夜は外に出て歩き回る。

静かな、眠らない、真っ暗な夜。

街灯の明かりの下を夜行性の動物のように歩くのは、なんとも言えない特別な感覚を与えてくれる。

音楽を聴くことには、昔からそんなに興味がなかった。

今も特に好きではない。

でも、夜に散歩するときだけは、イヤホンを耳に差し込んで"Agar Tum Saath Ho"という曲を何度も聴く。

なぜかわからないけど、その曲だけは好き。

けれど、今日は家を出る時にイヤホンを忘れてしまった。

だから、音楽も聴けない。ただ黙って歩いているだけ。

ハサン、ハサン……

この深夜、こんなに静かな場所で、誰かに名前を呼ばれてびっくりした。

ちょっと怖くもなった。でも、同時に少し感動もあった。

誰かが優しく名前を呼ぶと、なんだか心が揺さぶられる。

こんな夜中に、こんなに暗くて人気のない場所で、誰が私を呼ぶのだろう？

ここでは私を知っている人はほとんどいないのに。

その声は女性のものだった。

柔らかくて、甘くて、澄んでいて、魅力的で、心に響くような声だった。

とても聞き覚えのある声。

まるで長年知っていたような、そんな懐かしい感覚だった。

考えているうちに、肩に誰かの手が触れた。

振り返ると——あかりだった。

ああ、あの子だ。

一日だけ私を"ベストフレンド"にしてくれたあの女の子。

たった一日なのに、まるで何千年も前から知っていたような感覚を与えてくれた。

一日の出会いで人生を色づけてくれた。

その子が、こんな真っ暗で静かな夜にここに？

また何か特別なことを？

きっとそうだろう。あかりはいつも普通じゃないことをするのが好きだった。

ハサンも、それが好きだったけどね。

"ハサン、今日、1時間だけあかりのために時間くれる？

1時間だけ、あかりの友達になってくれる？"

その言葉を聞いて、私はクスッと笑ってしまった。

ああ、やっぱりこの子、また何か変なことを始めたな。

前は"一日"だった。今度は"一時間"？

その意味は何だろう？頭の中でぐるぐると考えが回る。

ずっと友達でいようって言えばいいのに。

そうじゃない？ハサンは、いつまでも友達でいたいと思っているのに。

どうにかしてこの謎を解き明かさなきゃ。

今日は二人、ただ並んで歩いているだけ。

誰も何も話さない。

まるで二人とも沈黙を守っているかのよう。

私は心の中で考えている。

あれだけおしゃべりだった彼女が、どうして黙っていられるのか？

何かあったんじゃないか？

あかりの隣を静かに歩きながら、私はそんなことを考えていた。

突然、あかりは歩くのを止めた。

沈黙を破って言った——

"ハサン……"

——うん？

——人の人生って、どうしてこんなに不思議なの？

どうして人の願いや欲しいものって叶わないの？

どうして夢がいつも届かないの？

一気にたくさんの質問を投げかけて、また歩き始めた。

私はその隣を歩きながら、彼女の問いにどんな答えを返せばいいのか考えていた。

彼女の心に、きっと大きな悲しみがあるのだろう。

"あかり……"

——うん？

——僕が思うにね…

——なに？

——人間のすべての願いや欲望がすぐに叶ってしまったら、

人はもう生きていく意味を失ってしまうんじゃないかな。

叶わないからこそ、また頑張れる。

未来のどこかで、夢を叶えようとする希望があるからこそ、生きようとする気持ちが持てるんだよ。

すべてが簡単に手に入ってしまったら、もうこの世界に何も望むものはなくなる。

だからこそ、叶わない夢も大切なんだと思う。

その言葉に、あかりは何も返さなかった。

ただ静かに歩き続けていた。

私もそれ以上何も言わず、そっと隣を歩いた。

私の言葉が彼女の心に届いたのかどうかは、わからなかった。

でももう、夜明けが近づいている。

空の暗闇が少しずつ薄くなってきた。

"ハサン、1時間だけって言ったでしょ。

その時間、もう終わったよ。

こんな時間に、あかりのために大切な時間をくれてありがとう。

元気でね。

そう言って彼女は、反対の道を歩き始めた。

私はその背中を見つめながら考えていた。

なんて不思議な女の子なんだろう。

あんなに元気で、笑って、ずっと話し続けていた子が、

急にどうしてこんなに静かで真剣になれるんだろう。

この不思議な子に、私はなぜこんなに心を惹かれてしまうんだろう？

なぜ？

なぜなんだろう？