消化管緊急手術が必要!? 巨大胃がんの発覚とその後の顛末

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ぐる

2025/04/25

64歳の女性患者は急性胆嚢炎のため入院し、全腹部CT検査を行ったところ、偶然にも胃の噴門部に5.8cm×3.5cmの腫瘤が発見されました。消化管間質腫瘍（GIST）または平滑筋腫の可能性が考えられました。腫瘍は位置が特殊で、サイズも大きく、表面に潰瘍を伴っており、病状は複雑でした。
加えて、高血圧や糖尿病といった基礎疾患があり、胆嚢炎に対しても将来的に手術が必要になる可能性があったため、病院では速やかに多職種合同カンファレンス（MDT）が開催され、王さんに最適な治療方針を検討しました。
胃カメラ、超音波内視鏡（EUS）、造影CTなどの詳細な検査を行った結果、腫瘍は胃の固有筋層から発生しており、形状は不整ながら、主に胃腔内に限局していることがわかりました。
全胃切除のような従来の外科手術を選択するか、それとも低侵襲な内視鏡手術を試みるか。王さんとご家族は慎重に検討した結果、より身体への負担が少なく回復も早いとされる内視鏡的全層切除術（EFTR）を選択しました。
私たちのチームは豊富な経験と技術を活かし、内視鏡により腫瘍を完全に切除。摘出された腫瘍は約10cm×4cmで、創部にはチタン製のクリップを用いて丁寧に縫合し、穿孔や出血などの合併症を効果的に防止しました。術後の経過も良好で、胃の機能は温存され、開腹手術による身体的な負担も避けることができました。
健康ワンポイントアドバイス：
定期的な胃・大腸内視鏡検査は、消化管の早期がんや粘膜下腫瘍（SMT）の発見に欠かせません。特に40歳以上の方は、症状がなくても健診項目として内視鏡検査を取り入れることをおすすめします。早期発見・早期治療が、“沈黙の殺し屋”から身を守る鍵となります。