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楓花(ふうか)

楓花(ふうか)

「ヒューマノイド」2/2

そして2045年、ある実験的試みが行われた。
地球とそこに住む全生命体をシミュレートし
それがどれだけの正確性を持つか、
というものだった。
政府主導のものではなく、あくまで
一ゲームスタジオの「遊び」程度だった。

結果、約46億年の地球の歴史は
11分2秒43で再現され、その正確性は
そのゲームスタジオ内の全スタッフの
名前や趣味などを再現するほど完璧だった。
だが注目すべき点は再現の正確性では
なかった。
その地球シミュレーターのデータの全容量は
たったの1.4MBしかなかったのだ。

この結果に人類は大いに震撼した。
自分達を含めた地球はかつてあった
携帯ゲーム機のカセット程度の容量で収まるという事実が、僅かに残されていた
尊厳というものをものの見事に踏み潰した

そして「歪さ」を重視して作られた
超容量規格に記録されていた作品も
そのシミュレーター内で再現されていた事が
富裕層を激怒させた。
だが、1%にも満たない彼らが声を大に
したとて、圧倒的多数となった「私達はちっぽけ」という思想の物量に負け、
更には彼らの人類の叡智を結集させた議論は
AIによって瞬殺された。

やるせなさや怒りに満ちていても
AIによって最適化された人間世界を
今更それ無しで動かす事は不可能だった。
そこで「UIG」を搭載しない、有機的に
スタンドアローンで自律行動を行う
「ヒューマノイド」が開発された。
「人間の友」と銘打たれたそれは
実質的には「八つ当たりの標的」として
生まれてしまった。

「ダメなヒューマノイド」を
「ダメな人間」が馬鹿にしながら教え、導く
その様は幼児が人形でごっこ遊びをする姿よりも醜悪極まりないものだったが、
その辺りの分別も付ける余裕もないまま
「人間の再認識」というお題目で
その行為は長い年月続いた。

やがて人間がウィルスと少子化で絶滅し
ヒューマノイドの方が生き残るまでは。
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