私は思いの外、この世界の住民になってしまったのかもしれない。まだ移住してきたばかりの彼らに我々の日常を押し付けてしまったのが間違いだったのだろう。しかし、気が付くには遅かった。犠牲が出てからではどんなに高潔な発見であっても賞賛されえないのだから。山科一字『ダイナマイト』より