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ごみBOX
近くには倒れた自転車が1台
仕事帰りの暗い夜道の端で人間の下半身だけが飛び出していた
その光景に戦慄したものの、どう見てもただ事ではないし生きているとすれば大変に困っている人であろうことは明らかなので勇気を出して声をかけた
60〜80歳ごろと思われるその男性は頭に葉っぱをくっつけながらのそのそと起き上がり
「んん…あぁ…あのな、わしな、酒飲みすぎて…ひっくり返った!!!」
と宣ったのだった
過不足のない状況説明により経緯も意識もはっきりしていて大事ではないこともわかった
とはいえほうっておく訳にもいくまいと家まで連れて行ってあげる道すがら、オネェちゃんのいるところで楽しくて飲みすぎた、楽しかったぁー、と話してくれたのを覚えている
「あんがとなにいちゃん〜
ただいまーうぃ〜」
と言いながら玄関に入っていく姿を見届けてから俺も家に帰った
死ぬ時はあんなふうに楽しかったぁーと思いながらひっくり返って眠るように逝けたらいいな、などと考えながら麦酒飲んでひっくり返って寝たような気がする
なんの見返りも求めず受け取らず、すっきり終わる親切は気持ちがいい
生きていればこんな場に直面することもある
一方で親切を働く際に留意しておかねばならないことは、自分でこしらえた生け垣の中に自ら倒れ込み「誰も自分を助けてくれない!理解してくれない!」と大騒ぎする人間もいるということだ
こういうのには見向きもしてはいけない。断固見捨てる。うっかり手を差し伸べてしまった場合はしかるのち全力で距離を空けることだ
こういう人は迷惑なんて考えず、こちらが根をあげるまで全身全霊全体重をかけてのしかかってくる。耐えきれなくなって突き放すと何もしなかった人よりもかえってめちゃくちゃに恨まれたりする
望んでもいない親切を押し売っておいて「自分はこんなにやってあげたのに」と喚いて突き放し難くさせるのも彼らの特徴だ
こういった人間の見極めは歳を取るにつれ上手になっていくのだろうと思うが、俺もまだまだだなぁという出来事が最近あった
悲惨な人生を送ったジュディ・シルさんが「イエス様だって十字架を作っていた人」と歌うこの曲は、人に期待をしない、どんな行いも許そう、という境地に到って歌われたのだろうと思う
大人とはかくありたいものだということを感じこれで1000文字いっぱい

Jesus Was a Cross Maker
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<ま仁きしこるちゃん
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