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楓花(ふうか)
「セシル、本当に大丈夫なのかい?」
「そうよ…タイムマシンだなんて…母さん、映画の中でしか見た事ないけど…だからこそ不安なの」
「大丈夫よ、パパママ。未来にしか行かないわ。それにこれは映画に出てくるようなものと違って、ただの観測装置なのよ。その未来に干渉出来るようには出来てはいないの」
セシルは嘘をついた。観測するという事は、干渉する事と同意義だ。
ただセシルは100年以上生き、そしてこれから先も生きなければならない身として、暇を持て余していた。
そしてその中で大切な事を忘れていたのだ。
「マイルズ、一緒に。パパママ、大丈夫だから。入ったらすぐに出てくる。少なくともそちら側からしたらそんな感じだから」
不安を取り除けないジェシカとミカエルをよそに、気まずそうにマイルズがタイムマシンに搭乗する。扉が閉められた。
「博士…こういう事を今言うのもなんですが…お父様とお母様に僕たちの事言わなくてもいいんでしょうか?」
「本当に何故今って感じだな。こういうのはサプライズというものだ。今から未来を見に行くのと同じだろう?」
「それはそうなんですが…よりにもよって何故僕を?博士なら…いや、セシルさんならもっと良い人がいるはずですよ」
「いや、お前が適任だ。何故か知りたいか?」
「何故です?」
「それに気付かないからさ」
セシルはスイッチを入れた。
別にこのタイムマシンは動くものではない。
中に入った物をそのまま違う時空に転移させるものでもない。
3層に分かれた真ん中の層だけ違う時空間に移送させ、中にいる物はそれを安全な場所から観測する。
そういった意味では観測装置とはあながち間違いではないのだ。
しかしセシルとマイルズの周りに映し出された光景は、想像を絶する物だった。
「なんだ…これは…」
「…セシルさんが…いっぱいですね…」
正常な空間にも見えない不思議な構造の街に
縦横無尽にセシルが忙しなく動いていた。
他の者がいない。マシンの中のセシルがマイクをオンにした。
「おい、どうなってる?」
「ん?なんだ?どのセシルが言った?」
「お前からは見えないかもしれないが、タイムマシンで過去からやってきたセシルだ。なんで私がこんなに沢山いるんだ?他の者は?」
「ああ、お前か。そうだな、分かりやすく言うと、適者『適』存ってやつか」
「分からん」
コメント
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たぁこ@
仕事ができる上司というイメージなのだろう。
このように上司として尊敬できる点がビジネスパーソンには人気というわけだ。

そら(sor
と思うのだが現実はどん底に落とされて時間がすぎるのをただただ待っているだけ(n回目)

💡こま

ちとせ
モーターヘッド、今はゴティックメードって言うんでしたっけ……あれが好きで……

ありゅ
これ生演奏で聴けたら最高だろうな〜 ゆくゆくはせぶいれとかでもやって欲しい✨
振り付けもめちゃくちゃ楽しみ!
#超特急してみない?

ビビ
関東圏で生活することを諦めきれない自分がいてもどかしい
(´・ω・`)
過ごすだけなら地元でも事足りるが
・充実感なし(自宅↔︎仕事で終わる)
・イベント参加しない限り人との関わりなし
関東圏に行けば何らかの関わりができる気がする

💡こま
私が拡大縮小のこと調べすぎて検索トップに出てくるAIがほぼキレてたから
だから出来るんだってば‼️‼️‼️
それが出来ないんだってば‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
を割と数日繰り返していた ア〜 す、すっきり〜……

しらい

ありえ
(本当にすみません)(冒頭の神宮寺のピアスすら忘れていたのをありすさんに発見・修正していただいてました)

安藤
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楓花(ふうか) 投稿者
「神よ…もしこれがあなたの仕業なら…私は呪わざるを得んぞ…マイルズ、お前を助手にした理由の一つとして、お前は過去に『多次元宇宙の多層構造と臨界点について』という論文を出していただろ。あれはよく出来ていた。よく出来ていたからこそ、お前を守る為に私はお前を引き抜いた。あれに書かれていた事が悪用されちゃたまらんからな」 「そんな…大したモンじゃないんですよ…あれは理論体系をまとめただけのもので…」 「だからこそ馬鹿でも分かる内容に仕上がっていて、そして応用がいくらでも可能なんだ。でもお前はまだ隠してるものがあるだろう?科学者とはそういうものだ」 「やはり、分かっていましたか…」
楓花(ふうか) 投稿者
「だろうな。まぁかいつまんでいうと、とある地点で世界はお前さん、いや、私達か。それしか必要としなくなったと言う事だ」 「そんなバカな…そんなことがあっていいわけがあるまい」 「良いも悪いもないんだ。それは人間の尺度でな。ある時突然私達だけがこの空間に転送された。まぁほぼほぼコピー体と言ってもいいんだろうが…とにかく元の世界は消滅したんだ。私達の意思とは関係なくな。それで私達はそれを戻そうと必死に動いてる」 「進捗は?」 「芳しくない。どうやらこの地点に移された私達はそれ以前に戻れないらしい。お前さんの作ったタイムマシンは使い物にならなくなった。そもそもここには時間が存在していないんだ」
楓花(ふうか) 投稿者
「なんて事だ…私が…私が悪いのか?」 「いや、それは関係ない。別の何かが干渉してる。エドワードがセシルに生まれ変わったのも、私達の意思ではなかっただろう?あれと同じさ。私達はここからあらゆる事を試みたが、何も変えられなかった。今は擬似的に世界を構築してそれを維持しているだけだ。あの装置が見えるだろう?あれだよ。さ、行ってくれ。私達はこう見えて忙しく、そして飽き飽きしてる。お前達がしょっちゅう来るからな」 「待ってくれ。私達にできる事は無いのか?」 「無い。あったらこうはなってないからな。さ、行ってくれ」 セシルはタイムマシンの全スイッチを切った。
楓花(ふうか) 投稿者
「ああ。そしてそれが今こそ必要となっているのかもしれん。お前の全てを出し切ってくれるか?」 「はい、もちろんです。その為にあなたに付いてきたものですから。でも、その前に一つだけお願いがあるのです」 「何だ。今なら何でも聞いてやる」 「結婚してください」 「ああ。ああ?今なんて?」 「結婚してください、と」 「ここでそれを言うか!?いや、まぁそうだな…そういうものか…私もお前なら、とは思っていた」 「ああ、セシル…!」 「おい!ここで猿になるな!結婚はしてやる。だがそういったことは…事が片付いてからだ。分かったか?」 「はい…」
楓花(ふうか) 投稿者
こうしてセシルとマイルズは秘密裏に研究を重ね、遂に多次元空間すら突破する装置を開発した。 そしてセシルはその研究当初から覚悟を決めていた。 それは、神との対峙だ。 追いかけるだけのものではなく、 反逆にも繋がるような、本格的な対峙を意味していた。 マイルズは6年間お預けを喰らっていた。 今日はこの辺で終わり