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淡島けのび

淡島けのび

ブライダルコンサルティング事務所前
雨宿りする天使に出会う

マーブルの模様に染まる6月の地面
はもっと青くっていい

月ひとつ
影がゆっくり伸びていく
二つの星は自然と並ぶ

おにぎりとブルーシートと紙コップ
てんとう虫とシロツメクサと

俯いた二人の上の誘蛾灯
春の余熱に夢を見ていた

指先で大人ですって押す時の
不安な感じが大人ってこと?

遠出した田舎の街のポプラには
やけにおいしいおはぎがあるな

スーパーの隅っこにある厚紙の安い
絵本のプリンセスたち

昨日特に手応えを感じたものたちです。自分で書いたものは全部納得して世に出しているので、全部好きですが、埋まっていく引き出しの手前の方に置いときたくなるような感覚です。2日で40前後詠んでやっと8です。打率2割、これくらい混じってしまっていた方がやっていきやすい気がしている。

#短歌
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淡島けのび

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80年製のボンボンうるさい車に乗せられ、海辺のカフェに連れ回された。革靴から覗いたくるぶしにアホ毛を生やし、「ゆっくりでいい」と話し下手な叔父は何も聞かずコーヒーを奢ってくれた。全然パッとしなかった叔父が唯一出したCDで、あの優しさがイヤホンを伝ってまた私を救ってくれる。 三題噺「海辺・イヤホン・くるぶし」

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淡島けのび

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夢ででっかい水溜りの上を君と歩いた。もう過去になったあなたが夢に出てくるなんて珍しいこともある。 寝起きの頭痛と涙の跡が、また私に人間のフリをさせる。 三題噺「過去・水溜り・人間」

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淡島けのび

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手を握られたいなあって思ってるとイヤホンを片方分けてくれた。海辺に栄えたこの町で少しだけ安心できる相手が君。片耳だけ渡して君はくるぶしより少し上にズボンをまくると、波打ち際に駆けていった。耳まで真っ赤にした君と無線のイヤホンに流れるチャットモンチーに私も走り出してみる。 三題噺「海辺・イヤホン・くるぶし」

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過去と聞き、人間でしたと答えてる あの水溜りどうかしてるよ 三題噺「過去・水溜まり・人間」

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過去がゆっくりと閉じていくので、私はそっと歩き始めた。水溜りにみんなが投げ込んだ思い出がさようならって顔してる。人間だものと無理に納得してみた、世紀末、病床の夏。 三題噺「過去・水溜り・人間」

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これは羊文学聴きながら考えたりしてお気に入り
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