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楓花(ふうか)
5年間、付き合い続けたある家族がいた。
最初はその家庭は凄惨たる有様だった。
当時、母親はバツ2、息子は22歳で引きこもり、
娘は14歳で不登校、3人目の旦那はDV男だった。
なんとかしなくては。
私はそう思った。
だから行動した。
まずは息子さんを部屋から出す事に成功した。
強引な方法で、私も殴られ鼻血を出したが
それをきっかけに彼は部屋から出て、
私と話をし、友達となり、一緒に遊ぶ様になり
多少は外にも出られる様になった。
次に娘さん。彼女の精神年齢は、その年と釣り合ってはいなかった。
とてもか弱い存在だった。ガラスどころか、
飴細工のようだった。
私は彼女に色んな事を教えた。
やがて彼女は私の事を慕う様になり、
私は彼女の知りたい事の全てを注いだ。
そして旦那。九州男児。元トラックドライバー。
しかしその時には腰をやられていて、
ほとんど座りっぱなし。昼間から酒を飲み、
毎日つまみの刺身を要求する。
ご飯がまずいとひっくり返す。怒鳴る。
それでも「俺は一家の大黒柱だ」と言い張る。
私達が子供達に与えた物も奪う。
そして気に入らなかったら壊す。
そして母親は、「美女と野獣症候群」に
陥っていた。知らない人に簡単に説明すると
「この人はいつか野獣から王子様に変わってくれる。それを変えられるのは私しかいない」と思い込んでしまう現象だ。DV家庭でよくある現象。
そして、子供に対して異常なまでに過保護だった。
優しい人ではあったが、その優しさは
子供達が自分で巣立つ準備すら、奪っていた。
私は旦那が実は大したことのない人間だという事を彼らの目の前で見せつける必要性があった。
少しずつ準備を重ね、時が来た。
私は彼に私に喝を入れてくれ、と殴らせた。
顔に3回。その拳は、弱かった。
私は言い放った。
「そんなもんか?私の心には何も届いちゃいない。皆、恐れる必要はないぞ。こいつには何の力もない」
母親は「美女と野獣症候群」から抜け出し、
自分から旦那に別れを突きつけた。
クソ元旦那は、生活保護を申請し、
区役所で不動産屋に持って行く24万を手にして
失踪した。あとでどこかで目撃されたらしいが
もうそんな事は全員知ったこっちゃなかった。
そういう事を繰り返しながら、一つ一つ、問題を解決していった。
だが…
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楓花(ふうか) 投稿者
彼女は最後に私にこう言ってきた。 「何とかして、つべこべ言わず、ただ仲良くする事はできないのでしょうか?ただ友達でいたいだけなんです」 それは私達にとっては、彼ら家族の破滅、その死を何もせずに見届けてくれ、という要求でしかなかった。 私一人だけなら受け入れただろう。 しかし私には妻もいる。息子もいる。 家族ぐるみの付き合いだ。 そんな残酷な要求が飲める訳がない。 私にも守らなければならないものがある。 特に息子には、その様な光景を見せたくない。絶対にだ。
楓花(ふうか) 投稿者
この事に関しては知り合いの専門家にも相談しながら事を進めた。 彼にこう言われた。 「でもあなた一人が背負っているストレスを抱える人が、誰一人としていない」 そう。その通りだった。 私はそれを耐えてきた。 「でも、私は後悔して死にたくはないんです。何事にも全力を尽くしたい。たとえ失敗に終わったとしても」 「確かにそうでしょう。私もそうします。そうせざるを得ない。でもあなたも倒れてはいけない。私があなたの重荷を抱える事はできませんが、サポートする事はできる。いつでも連絡してきてください。あなたは貴重な人間だ」 「分かりました」 その言葉がなければ、私は今頃どうなっていただろうか。
楓花(ふうか) 投稿者
息子と娘もその事を理解していた。 だから、より一層自分達自身の力を手に入れようとしていた。 しかし過保護な母親が、心配のあまりに、そのチャンスを全て根こそぎ奪っていた。 そしてある時私は気付いた。 全ての元凶は、この母親にあったのだと。 彼女には逃避癖があった。 最初の旦那と別れたのも、彼女の浮気がそもそもの原因だった。 全てが私の頭の中で繋がった。 変えるべきは子供達ではない。 この母親だと。
楓花(ふうか) 投稿者
だから選択肢を与えた。 「現実を受け止めて、どうにかする努力を私たちと共に継続するか、それを放棄するか、どちらかです」 彼女は放棄を選んだ。 そして、別れの道となった。
楓花(ふうか) 投稿者
こうやって一つの時代が終わったが、 また新しい時代はすぐにやってくる。 私達は歩み続けなければならない。 「人生は苦痛である」 ブッダの言葉だ。 しかしその苦痛を乗り越えなければ、人は幸福を知らずに終わる。 人は生まれながらに闇の中にいる。 それに立ち向かわなければ、光を見出せない。 幸福を知っても、それは永遠じゃない。 人生山あり谷ありだ。 でもその道を歩んでいって、ふと振り返った時に、自分が凄まじい場所にいる事に気付く事がある。 そしてまた歩み出す。 次に振り返った時に、どんな光景が見えるのかを、楽しみにしながら。