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わんわん

わんわん

連載小説です。1話からどうぞ。
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『秋のカブトムシ  第22話』


冬陰はカメラの前で弁を咥えた。

[視聴者数・2,854人]

明人は、夏希を取り返すスキをうかがう。
しかし冬陰の持つナイフは、夏希の首筋に固定されていた。

画面には次々とコメントが流れる。
『一体何を見せられてる』
『ウォーキングドールに期待www』
『はじめてきたけどアホすぎだろ』

肌色の物体が半分程膨らんだところで、冬陰は口を離した。
「これを一人で膨らまさなきゃいけないってのは、しんどいなー」

[視聴者数・5,310人]

冬陰は、再び息を込め始めた。
その間、コメント欄は「ウォーキングドールは実在するか?」で荒れていた。

……やがて、それはパンパンに膨らんだ。
冬陰は口を離すと、素早くモニターを見た。

[視聴者数・10,579人]

その時だった。
膨れ上がった無機物がくねくねと動いた。
そして、徐々に裸の人間へと変化していく。

冬陰が血走った目で叫んだ。
「おい観てるか、1万人以上のバカどもっ! これが、ウォーキングドールだっ!!」

出来上がった『それ』は、うつむいてじっとしゃがみ込んでいた。
明人の全身に、悪寒が走った。
……首が不自然に曲がっており、見える手足の指が何本か欠損しているのだ。

『それ』の背中は筋肉質で、髪が短い。何故か頭から赤い塗料を被ったように、身体が滑っている。
そして、全身に電気が走ったようにビクビクと震えた。

やがて『それ』は、ゆらりと立ち上がり、冬陰に土下座をするように両手をついた。
そして、そのままぐるりと逆立ちをした。

……顔を持ち上げて、冬陰の方を向く。

『それ』に見つめられた冬陰は、眼鏡の奥の目を剝いた。
「あ……、え……?」

『それ』は逆立ちをしたまま、ペタリと右手を前に出した。床には指の足りない赤い手形が残った。
明人から見る『それ』のヒジは、左右がおかしな方向へ曲がっている。
……そして、顔は半分しかないように見えるのだ。
ボトッ、と赤い固まりが床に落ちた。

冬陰は持っていたナイフを投げ出し、尻餅をついた。
「ひっ……! あ、相棒……! お、お前は屋上から落ちて……!!」

『それ』は歯をかちかちと合わせながら、妙な音を発した。
「が、あがががが……!!」

コメントは沈黙した。

[視聴者数・15,749人]
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コメント

こむぎこっこ

こむぎこっこ

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わぁ〜[びっくり] そんな世界だったのね!びっくりした〜((((;゚Д゚)))))))こわい! 面白いね、わんわんさん👍

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わんわん
わんわん
冬陰を懲らしめないといかん!と思ったんだけど…、ちょっとやりすぎちゃったかも!笑 怖いのは次で終わるので〜!
1 GRAVITY
mamy

mamy

1 GRAVITY

(((;°Д°;))))ギャーッ 急にヤバいテイストになったよぉぅ(༎ຶ⌑༎ຶ) 思ってたんと違うぅ(༎ຶ⌑༎ຶ)ワクワク←

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わんわん
わんわん
ちょっとやりすぎちゃった!😋テヘペロ ゴールデン金子が懐かしいね…笑
1 GRAVITY
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りんりん

りんりん

1 GRAVITY

衝撃の展開💦

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わんわん
わんわん
自分でも、こんなにホラーになるとは思わなくてびっくりしてる!笑
1 GRAVITY
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