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わんわん
それから数日間、明人と夏希はささやかながらも幸せな生活を送っていた。
その日、バイトに行く前に明人は聞いた。
「夏希、今夜何か食べたいものある? 冷蔵庫の中身少ないし、買って帰るけど?」
夏希はあごに人差し指をあててわざとらしく「う〜ん」と唸った。
やがて嬉しそうに顔を上げた。
「 たこ焼きパーティーしたい!」
明人は予想外の答えに、思わず笑った。
「分かった! 具材を買って帰るよ。たこ焼きのホットプレートが戸棚にあると思うから、出しておいて」
「うん。行ってらっしゃい!」
明人がバイト先のコンビニに着くと、小太りの先輩が働いていた。
「よう! 明人君〜、なんだか久しぶりだなぁ〜!」
明人は少し緊張しながらも挨拶をしようとした。
すると、先輩は不思議な事を言い始めた。
「お前って、変わったアニキがいるんだな!? 昨日、家に来たか?」
「え……?」
どういう事かたずねると、先輩はこう言った。
昨日、明人の兄を名乗る人物がコンビニにやってきた。
正確には「ここにイケメンが働いてるだろ? あれ、俺の自慢の弟なんだよ」と言ったそうだ。
その男性は、長髪の右半分が赤、左半分が緑という、独特なヘアスタイルだったそうだ。
「携帯電話を無くしてしまって困っている。弟に会って説明をしたいから、今いる場所を教えて欲しい」
そう言われ、先輩は、明人が住んでいる晴子のアパートを教えたと言うのだ。
明人は首をかしげる。
(僕に兄弟はいないんだけど……?)
……なんだか、すごく嫌な予感がした。
冷たく濡れたTシャツが肌にベッタリと張り付くような、嫌な感覚……。
明人は自転車に飛び乗ると、猛スピードでアパートへの道を戻り始めた。
先輩の叫び声が追いかけてくる。
「おーい!! 明人君! そんなに兄貴に会いたいの〜〜!?」
アパートに着くと、自転車から飛び降りた。
玄関のドアに手をかける。
ドアノブが回った。
(さっき、鍵をかけて出たはずなのに……?)
家の中はがらんとしていた。
「おーい、夏希……!?」
キッチンに入る。
戸棚が開いたままで放置されている。
そして、テーブルの上に置かれたものを見た瞬間、明人は自分が「取り返しのつかない過ち」を犯してしまった事に気付いた。
テーブルの上で開かれた冊子。
それは『貴方の彼女』の取扱説明書だった……。

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こわいー
リス🐿
どっち?( ⊙᎑⊙ ) 夏希が見たの? ゴールデン金子!?
りんりん
えっどうなるのー😭