中学生時代の夏の思い出が蘇る瞬間

ふと思い出したんだけどね

中学生の頃、確か七月とかの暑い日だったと思うんだけど、教室で授業を受けてたの
なんの授業だったかは覚えてないけど、窓を開けっぱなしてカーテンも開けてたんだよね
昔は教室にエアコンなんてなかったから

突然、廊下側の前の方の席に座っている女子が「ヒッ」っていう声を押し殺した悲鳴みたいな声を上げたの
それを聞いてみんなその女子の方を向いたら、その子が窓の方を見ててすぐに俯いたから自然とみんな窓の方に目を向けたの

そしたら、教卓側、前の方の窓に少し掛かっているカーテンの後ろから腕が一本出てるの
窓とカーテンの間に、手のひらを軽く開いた感じの腕が出てたの。普通の手が

おれは後ろの方の席でそれを見て、え？っと思って周りの同級生とか教師をキョロキョロ見ちゃったんだけど、教師もそれを見てたの
何秒間かわからないけど、しばらくその場の空気が固まったようになってて、隣に座っていた女子が椅子をガタッと鳴らして廊下に出ていった瞬間、あちこちで女子が悲鳴を上げ出して、その腕の近くの席の生徒はただただ固まってたな

おれも固まったようにその腕から目を離せないでいて。というか、目を離したらこっちに向かってくるんじゃないか、みたいな気がして目を離せなくてさ
そしたら突然スッと腕がカーテンの中に引っ込んだの
その瞬間、男子生徒も「うぉっ」とか「ああぁっ」とか声にならないような低い声を上げて後ずさるように机から離れてた

後ろの方の席の女子の殆どは廊下に出てて、授業中だったから他のクラスの人は出て来てなかったけど、そのまま数分は教室に戻ってこない状態だった
男子は教室の後ろで固まって、ヤンキーも目立たない奴も一緒になって「なんだよアレ」っつって盛り上がってた
教師は落ち着かせるよう大声は出さずに、騒ぐな、落ち着け、と言いながらも直ぐには席に座れとは言わなかったなぁ

当然その後は授業にならなかったけど、だいぶん落ち着いてから教師がカーテンの中や窓の外なんかを確認してみんなに見せて
「よくわからんけど、不思議なことがあるもんだな。先生こんな事初めてだ」
みたいな事を言いつつ、わからない事を騒ぎ立てるのは良くないから、他のクラスの人たちにあまり話すんじゃない。と釘を打ってた
もろちん、そんなのだれも守らなかったけどね

おれがずっと忘れていた唯一の不思議な体験を思い出した

ま、嘘なんですけどね

嘘なんかよwww

じょうず！

ふと思い出したんだけどね