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わんわん
……とはいえ、特に変わったことをしたわけでもない。
少し丁寧にご飯を作ったくらいだ。
夏休みといえば、大学に入って最初の夏休みを思い出す。
当時の俺は、映画『イージー・ライダー』のボーントゥービーワイルドな世界に憧れていた。
髪を肩よりも長く伸ばし、タバコを吸いながらローンで買った中型のアメリカンバイクに乗っていた。
そして、夏休みのうちの一ヶ月を、バイクのツーリングにあてた。
何日もかけて一般道を北上した。
海岸や公園などで一人でテント泊をし、なるべく地元の物を食した。人の親切を目の当たりにしたりもした。
そして北海道へ入った。
北海道には、ライダーハウスというものがある。
ライダーなら、300円とかで一泊できるのだ。(無料のところもある!)
もちろん複数人が雑魚寝で、食事はつかない。
それまで、本州の夜をテントで孤独に過ごしていた俺は、夜な夜な行われるライダーたちの宴を心から楽しむことができた。
老若男女、住んでる場所も違う者同士が、一期一会に一晩語り合うのだ。
中標津町のライダーハウスに泊まったときの事だ。
そこは、漁師さんが運営するハウスで、確か一泊400円。
40畳程の広い板張りの小屋の真ん中には囲炉裏があり、火が焚べてあった。
そこで、オーナーの漁師さんが余った魚を焼いて振る舞ってくれたりもする。
そこで、俺はハーレーに乗る女性と仲良くなった。
長い黒髪と丸い顔がチャーミングな年上の女性だった。
彼女も一人で回っており、俺と同じく『イージー・ライダー』に憧れるクチだった。
お互い酒を酌み交わし、地元の話なんかをした。(彼女は東京都の外れに住んでいた)
やがて、照明が落ち、辺りから寝息が聞こえ始めた頃、彼女は俺に耳打ちした。
「酔い冷ましに、海に行こうよ」
今より飲酒の規制は緩かった。(運営にチクらないでね! 時効だから!)
明るければ国後島が見える海岸で、俺たちは一晩語り明かした。
(……まあ、ぶっちゃけイチャイチャもした。若かったからね!)
翌日も一緒に走ったが、その次の日からは、彼女とスケジュールが合わず、別れる事になった。
(彼女は社会人で、盆休みを利用して旅行していたからだ)
携帯電話の番号は交換したが、その後、彼女から連絡がくることは無かったし、俺もしなかった。
そんな若かりし日の思い出だ。

Born to be wild - 映画イージーライダーよりInstrumental Cover Ver.
コメント
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そんな遠出してたんだね[笑う] 1ヶ月って相当、いろんな経験したよね。甘酸っぱい恋の話、ビッグイベントだったね。一期一会、素敵な出会いに乾杯🍻かな。
あど💎
やっぱりわんわんさんのお話楽しい[笑う]
みみ
えーー素敵ーー❣️✨✨ 実話ですか?
松崎
春が青くて素敵だね✨ (あ、夏か)
むーみん🍡
わんくんって、やっぱり恋多き男子ね[ウインク][ハート]