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彩鬼Sunny

彩鬼Sunny

私は生きていない。ただ、生かされているだけの、哀れな人形だ。

朝が嫌い。

眠れる夜なんて、最初からない。
目を閉じても、頭の中がざわついて、
過去の声が、勝手に耳元で囁き続ける。
「愛してるよ」
「大丈夫だよ」
「君は特別だよ」

全部、嘘だった。
優しい言葉は、いつも私の心を軽くするだけ。
軽くなった心は、すぐにまた重い現実で押し潰される。

それでも、朝はやってくる。
カーテンの隙間から、薄い光が忍び込んで、
私の顔を冷たく撫でる。
起きなさい、と言わんばかりに。

私はベッドの上で、膝を抱えて動けない。
この体は、もう私のものじゃない。
誰かの都合で、勝手に息をして、勝手に目を開けて、
勝手に一日を始める。

「人生はプラスマイナスゼロ」なんて、
誰かが笑って言ったのを思い出す。
そんなことを平気で言える人は、
きっと、マイナスを知らない。
底なしの暗闇で、息もできないほど沈んだことのない人。

私は、ずっとマイナスだ。
生まれたときから、
愛された記憶が、薄っぺらい紙一枚みたいに剥がれて、
その下には何もない。

ああ、騙されたって構わないよ
みんな嘘つきでいいよ
本当の私なんて、誰も知らなくていい

鏡を見ても、映るのはただの殻。
笑顔を作れば、誰かが「可愛いね」と言ってくれる。
でも、その言葉は私を少しも救わない。
ただ、もっと空っぽになるだけ。

どうせだったら
徹底的に壊されて
みっともなく転んで
笑われればいいのに

だから、わざと失敗する。
わざと人を傷つける。
わざと、愛されないようにする。
全部をマイナスに染めて、
誰も近づけない場所に隠れる。

それでも、朝は来る。
光は容赦なく、私を照らす。

私は、
美しい死に憧れる。
でも、死ぬことさえ、
誰かに許される必要がある気がして、
結局、生き延びてしまう。

私は生きていない。
ただ、朝が来るたびに、
少しずつ死に損ねているだけだ。
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