いいか千尋、形骸化した定例ミーティングほど無駄なものはない。操作ミスのフリをして予定削除することは立派な仕事なのかもしれないね。

一応俺も社長だからさ
威厳とか立場とかあるわけだしさ
これさダメだよね詰んだよね
立ったら漏らしちゃったのバレるよね
いや、違うんだよ
寝てる時の夢の中でしょんべんしても大丈夫な側のほうだったんだよ
全然漏らしたこともう10歳くらいで直ったんだよ
それがこんなところでやっちまうのかまじかよ
あれか、昨日の夜ハメ外しすぎて居酒屋で飲みすぎたか…気がついたら店の前で寝てたらから家帰ってないしそういえばトイレいってないわこれだわ絶対これだわ
てことはだよ
これ俺が悪いんじゃなくて俺を置いていった会長と専務がいけないんじゃない？そうだよ
絶対そうだよ
だから事情を話せば絶対みんな許してくれる
いや、なんなら見て見ぬふりしますくらいなこと言ってくれるかもしれない
イヤイヤイヤイヤ無理でしょ
俺なら蔑むよどんな理由があってもおっさんが会社でもらしてたら距離とるよ無理だよ
絶対立てないわ…
ランチタイムになれば、橋本のグループはここからいなくなるし田中と長谷部はスマホに夢中だからなんとかできるが
問題は山岸だ！
山岸は26歳可愛い後輩タイプの女だが仕事もできコミュニケーションとれる会社としてはとても優秀な人材だ
昼時になれば私をいつも誘ってくれる優しい面もあるが今日も絶対来る…！
さ、ランチに行きましょうって腕をひっぱる勢いで机を乗り越えるくらいの圧をかけてくる
そんな山岸と関係を持ってしまうのは至極当然じゃないか
私には妻も子どももいる。子供はもう高校生でお父さんの服と一緒に洗濯しないで、同じ部屋で息をするのも嫌だと言ってくる…昔はパパ、パパとよく一緒に遊んでたのだが…中学に入ったあたりから私に対して冷たい目をするようになった、いつから間違ってしまったのだろうか
妻も私のことをいないものとして扱うようになった
３０年近く連れ添った仲で私にとってはかけがえのない存在だったのに…妻が職場に復帰して２年ほどたった日…妻が同窓会に参加し朝帰りをしてきた日からどんどん会話が減っていった…妻には私よりいい男がいるのかもしれない…

私はいったいなんのために働いているのか苦悩に満ちた日々をすごしたこともあった…
そんな時に新人として入ってきた山岸は私にとって光だった
彼女は私のありのままを好いてくれた
辛い状況も一緒に打破し、私も彼女のおかげで今の立場にもなれた
彼女は私の(文字数オーバー)