顔は向けてくれるけど眠すぎて目瞑ったままなのｶﾜﾁ

小泉進次郎×村上春樹
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1

今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけない。

飛行機が降下しはじめ、
機内に古い曲が流れた。
それを聴くと、
僕はいつも同じことを思い出す。
このままではいけない、
という気がしていた。
それが何なのかは、
はっきりしない。
ただ日本という場所もまた、
同じ「このまま」の中にあるように思えた。
僕はその考えを、
考えただけで終わらせた。

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2

このプレゼント頂き物なんです。

それはプレゼントだった。
僕が選んだわけではない。
誰かが選び、それがここにある。
そういう種類の物だった。

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3

未成年飲酒なんて子供のすることですよ。

子供がすることは、
子供にしかできない。
僕は窓際に座って、それを眺めた。
何かを言おうとしたわけではない。
ただそこにあるものを、
ぼんやりと見ているだけだった。

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4

政治に無関心ということは、政治に無関心のままでいられると思います。

政治に関心を持たずにいることは、
できる。
少なくとも、できると思っているあいだは。

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5

毎日でも食べたいということは、毎日でも食べているというわけではないです。

僕は冷蔵庫を開け、
中を見て、閉じた。
毎日食べたいと思うものはある。
でも毎日食べているわけではない

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6

リモートワークができるおかげで公務もリモートでできるものができた。

離れた場所でできる仕事がある。
だから、
離れた場所で行われる仕事もある、
画面の向こうでは書類がじっとしていて、
声が届き、
僕はただ椅子に座ったままだった。世界は変わらずそこにあって、
僕だけが少し浮かんでいるみたいだった。
僕はそれを、そうだと思った。

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7

約束は守るためにありますから約束を守るために全力を尽くします。

僕はメモ帳に何かを書き、
すぐに線で消した。
約束は、守られる
少なくとも、
守られるものとして置かれている。

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8

今日が誕生日ということは、来年もまた誕生日が来るんです。

今日が誕生日だということは、
来年もまた誕生日が来るということだ。
たぶんそうなるのだろうし、もしならなかったとしても、
僕たちはどこかで同じ日をまた迎えるのだと思う。
理由は特にないのだが、そんな気がした。

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9

30年後の未来は、今から30年経つとやってくるんです。

僕は腕時計を見て、
時間を確認した。
三十年後は、
三十年が経てば来る。
時計は何も言わなかった。

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10

クリスマスが近づくと、街がクリスマスっぽくなりますよね。

クリスマスが近づくと、
街は自然とクリスマスらしくなる。特に理由があるわけではないのだが、
僕はたぶん、毎年こうして街は少しずつクリスマスらしくなるのだろうと思った。
そして、もし来年も同じように街がクリスマスらしくなったとしても、
やはり僕は同じようにそう思うのだろう、とそんな気がした。

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11

毎日は日々のことです。だからこそ、毎日は大切なんです。

僕は朝起き、
顔を洗い、
タオルを畳んだ。
毎日は、日々だった。
それ以上でも、それ以下でもなかった。