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し
眠れない王女と、夜にだけ咲く庭
王宮の奥深く、王女リリアは幼いころから眠りに悩まされていた。
彼女が夜になると胸がざわめき、思考が止まらず、
どれほど薬を飲んでも眠りに落ちることができないのだ。
医師も魔法使いも手に負えず、王女はついに“自分は永遠に眠れないのだ”と
諦めかけていた。
ある晩、侍女も寝静まった頃、窓の外に奇妙な光が揺れた。
まるで誰かが「外へおいで」と囁いているようだった。
薄いドレスを羽織り庭へ降りると、見知らぬ門がひっそりと開いている。
その奥には、夜の闇をやわらかく照らす“花彩命の庭”が広がっていた。
庭の花々は昼には咲かず、夜だけ満開になるらしい。
青い花は低い子守唄のような音を発し、
桃色の花は遠い昔の夢のように甘い香りを漂わせ、
白い花は光の粒を零しながら王女の足元を照らした。
リリアが庭の真ん中に立つと、ひときわ輝く銀色の花が寄り添うように揺れた。
その花に触れた瞬間、胸の奥に張りつめていた緊張がふっとほどけた。
言葉にならない安堵が体を満たし、長く忘れていた“眠気”が
やさしくまぶたの裏を撫でていく。
彼女は庭の柔らかな草の上に座り、銀の花の光に包まれながら
静かに、静かに目を閉じた。
気づけば穏やかな寝息が漏れ、夜風がその髪を揺らしていた。
翌朝、目を覚ますと庭は跡形もなく消えていた。
しかし彼女の胸には、銀色の小さな花弁がひとつ残されていた。
その日から、王女は夜になるたび自然と眠れるようになり、
彼女はその花弁を“命の鍵”として生涯大切にしたという。
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部屋がこういうグッズだらけ…[ほっとする]



🩵💙
これ…可愛くて欲しいのに…東京…遠いよ…


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