政治的中立の名を借りた言及の放棄は、「生きる力」の開発を免罪符に、複雑な現実との対面を子供自身に押し付けることに他ならない。人権も差別も政治も、まるで「公式」しか教えない数学の授業のようであっては、学んだことが身についていないなどと言っても仕方のないことだ。