史緒里ちゃん、改めて乃木坂工事中でたくさん活躍する姿を見れて応援することができて本当に毎週楽しかったです！

『誰も興味のない私の恋の話』

夜勤明けの帰り道
こんな時、優しい彼が「ことり、お疲れ様」のラインくれたりして…と妄想していたら
応えるように、おかんから買い物リストのラインがきた

駐車場でバンッとあけたらゴンッと当たった
ああ、やった…
お隣の黒の軽四の扉に、小さく傷が付いた
ラインからこちらにはみ出てるけど
よく見ずにあけた私が100悪い

とりあえず謝って話をしないといけない
どんな人だろう
車の中を見たら、後部座席に網に入った沢山のバレーボールと、助手席に紳士物の大きな上着とタバコがあった

スポーツやってる人なら、殴られてぼったくられたりしないだろうと都合の良い推測をしながら待った

…遅い…30分以上たった
夜勤明けなので睡魔がきた
大きいふせんにメッセージを書いて
その方の運転席のドアに貼った

「すいません
助手席側のドアにぶつけて傷をつけました
お詫びとお話をしたいのですが
左隣の軽四です
夜勤明けで寝てるのでバンバンして下さい
すいません」

目が覚めた
時計を見ると1時間寝てた
隣の軽がない！
代わりにふせんがフロントガラスに貼ってある

私の文の下に、返事が書いてあった

「気にしないで！夜勤お疲れ、眠り姫^ ^」

その時、心がカシューンと鳴った

私はそのふせんを手帳に挟んだ
そして、1日に何度もこっそり眺めた

どんな人なんだろう
いやいや勝手に想像したってご結婚してるかもしれないし、こんな優しい人なら彼女いるだろうし、いやいや、そもそもこんなこと考えてる方がおかしいし！

とりあえず、もう一度あえたら
その時は謝って修理代渡そう
お金じゃ受け取ってくれないかも
代わりのものも準備しとこうと
Amazonギフトカードを入れた手紙を準備して
車に置いた

そう、もう一度会えたら

いやいや自分よ！ときめくな！ときめくな！

そして1ヶ月経った頃
同じ店の駐車場でその時は訪れた

「すいません！この間ぶつけた者です！」
「あー、はいはいはい」
と言ってその方はニコニコ笑った

その方はとても背の高い笑顔の素敵な
奥様だった
「お詫びに」と封筒を渡すと
「いらない、いらない」と
言われたが受け取っていただいた

見送って
奥様か…と呟いて笑った

コートを脱ぐとフードに
さっき渡した筈の封筒が入っていた
神業か…と呟いて笑った