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鳩時計🕊

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ナイチンゲールが活躍する前、看護師は軽蔑されていた職業だった。患者の血や膿、吐いたもので服が汚れ、「どうせまた汚れるから」と、そのままの格好でいたから。ところがナイチンゲールは「どうせなら」患者に清潔な環境を提供しようと、シーツを変え、自らも清潔な服に着替えるようにした。すると。

死亡率が激減した。実は患者の多くは、不清潔な環境に置かれることで「二次感染」が起き、それで死亡していた。清潔な環境を維持することの大切さが、そこから認識されるようになった。しかも、いつも身ぎれいな服装を維持する看護師は次第に尊敬を集めるようになり、憧れの職業に変わった。

「どうせ」と蔑まれていたものが「どうせなら」で大変化したものが他にもある。トイレ。とある女子大生が、何を思ってか、卒論にトイレを選んだ。調査すると、女子トイレが少なくて汚い観光地は、リピーターが少ないという結論を導き出した。

当時、家族で観光旅行に行くと、女子トイレが数珠つなぎになっていることが多かった。家族からは「まだ〜?」とせかされるし、トイレは汚いしだったりすると、もうコリゴリ!となって、その観光地には来なくなる、という分析だった。
この女性はトイレ業界に進み、その後、トイレが劇的に変化した。

トイレは「どうせ」下の世話をするところ、「どうせ」臭くて汚れたところ、とされていたが、その女子大生の卒論を起点として、急激にトイレは清潔で快適な環境に変化していった。刈谷サービスエリアのトイレなどは眺望が素晴らしいとして有名になるくらい。リピーターも激増。

どうせトイレは行かなきゃいけない空間なのなら、「どうせなら」清潔で快適な空間に。その後、どこに行っても昔のトイレとは大違いで、清潔かつ快適な空間にトイレが変化したのは、女子大生の「どうせ」を「どうせなら」に転換する力が成し遂げた革命だったように思う。

もう一つ、女性がもたらした「革命」がある。死に化粧。
昔、亡くなった患者に化粧を施すのは看護師の当番だった。しかしその化粧で使われていたのは、残りカスのファンデーション、折れた口紅。これではいくらなんでも亡くなった患者がかわいそう、と一念発起した看護師がいた。

遺体の肌にも合う化粧品を探し、どんな化粧をしたら生前の元気な姿に近づけるか、研究を重ねた。すると、遺族の方たちが「元気だった頃のよう」と、涙を流して喜んでくれるように。やがてこの技術は「エンゼルメイク」と呼ばれ、全国から研修を受けに来るほど優れた技術となった。

「どうせ」死んだ人ではないか、という想いが、昔にはあったのだろう。それを「どうせなら」と、生前の元気な姿を取り戻せるように、という気持ちが、尊敬を集める技術に育て上げたのだと思う。
男性でも「どうせなら」革命を起こしたものがある。「納棺夫」。

ご遺体を洗い、棺桶の中に納める仕事。とある男性は、この仕事を始めると言ったら、親戚から縁を切ると言われたそう。しかしその男性は一念発起し、「どうせなら」ご遺体を丁重に洗い、棺桶に優しく納めようと考えた。服装も、医師のような白衣を来て、いつもこざっぱりした状態を維持した。

すると、遺族の方たちから「私が死んだら、あなたにお願いできないだろうか」と頼む人が現れるように。お坊さんではなく、その男性に手を合わせて拝む人まで現れるように。やがて、その男性は全国から講演依頼を受けるようになった。この物語は「おくりびと」という映画にもなった。

「どうせ」と軽んぜられ、蔑まれている職業や技術があるとしたら、それは「どうせなら」で生まれ変わる可能性がある。誠意を持って改善することで、劇的なイノベーションを起こせる可能性がある。「どうせなら」革命が、いろんな場所で起きると面白いなあ、と思う。

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篠原伸さんの投稿より
GRAVITY3
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コメント

🦊ྀི稲荷な狐༅

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3 GRAVITY

葬儀社勤務です わたしも葬儀社とかけ持ちしてたラウンジの仕事をママから「縁起悪いから出勤しないで」と言われました 今は葬儀社1本でやってます 【どうせなら】亡くなった方、ご遺族のお別れを素敵な時間にしたいと思いながら 出来ることは限られてますが これからもがんばりたいと思います (ง •̀_•́)ง

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わのん

わのん

1 GRAVITY

たくさんの情報が飛び交う中で、鳩時計さんのセンサーがキャッチした文章・考え方を最後まで読ませてもらい、僕も新しい気付きに触れられて良かったです😌✨ ありがとうございます🙂‍↕️

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ナイチンゲールが活躍する前、看護師は軽蔑されていた職業だった。患者の血や膿、吐いたもので服が汚れ、「どうせまた汚れるから」と、そのままの格好でいたから。ところがナイチンゲールは「どうせなら」患者に清潔な環境を提供しようと、シーツを変え、自らも清潔な服に着替えるようにした。すると。