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テーマ:危機はお互いを成長させ、乗り越えることで関係が深まる
Ⅰ.はじめに(対象紹介)
A氏(36歳・女性)は、妊娠初期における身体的変化と心理的ストレスにより、精神的な不安定さを抱えていた。
B氏(筆者)はA氏のパートナーであり、妊娠の報告を受けた際、「守りたい」「支えたい」という強い責任感と喜びを感じていた。
しかし、A氏は体調の変化や将来への不安から「今はそっとしてほしい」と距離を取り始めた。
一方、B氏は「早く家族として形にしたい」という思いから焦り、A氏のペースを尊重できず、結果的に信頼関係が一時的に崩壊した。
本事例では、恋愛・家族関係の危機を**フィンクの危機理論(1967)**をもとに看護的視点から捉え、危機を通して人間的成長と関係性の深化がいかに起こるかを考察する。
Ⅱ.危機理論の枠組み
フィンクは、危機を「予期せぬ出来事により、従来の対処方法が通用しなくなった状態」と定義している。
人は危機に直面すると、①衝撃期、②防御的退行期、③承認期、④適応期の4段階を経て回復に向かうとされる。
本事例では、この4段階をA氏およびB氏の心理的変化と照らし合わせ、関係性の再構築を検討した。
Ⅲ.看護問題(心理的危機の把握)
A氏は妊娠に伴う体調不良と環境変化により、情緒不安定な状態であった。
そのような中で、B氏が「親への報告」や「結婚の話」を急いで進めたことで、A氏は「気持ちを理解してもらえない」と感じ、関係性に心理的な距離を生じさせた。
一方のB氏は、自分の行動を正当化しながらも、彼女からの沈黙や拒絶を受けて深い混乱と自己否定に陥った。
このように、両者ともに自らの感情を適切に表出・整理できない状態にあり、危機の第1〜2段階に該当していたと考えられる。
Ⅳ.看護計画
本事例における支援の目的は、相手を変えようとするのではなく、相手のペースを尊重しながら自らの感情を整えることにある。
そのため、B氏は「行動する支援」から「見守る支援」への転換を図った。
また、A氏が安心して自分の気持ちを整理できるよう、B氏は連絡を最小限に抑え、返信を求めない「気遣いのメッセージ」を1通だけ送り、その後は沈黙を守ることを選択した。
さらに、自身の内省を深める目的で「送らない手紙」を書き、自分の不安や執着、支えたい気持ちの裏にある“恐れ”を言語化した。
この過程は、感情の客観視を促し、自己理解を深める看護的介入として有効であった。
Ⅴ.看護の実際(危機の段階と変化の過程)
A氏が距離を置いた当初、B氏は衝撃と混乱の中にあり、「なぜ理解してもらえないのか」「もう終わりなのか」と強い喪失感を感じた(衝撃期)。
その後、B氏は不安と自己否定に支配され、「自分がいなければいい」といった極端な思考に陥る防御的退行期を迎えた。
しかし、沈黙の中で「彼女のしんどさを理解しよう」と少しずつ気持ちを整理し、**“自分が支えたい”ではなく“彼女が安心できるように在りたい”**という意識の変化が生まれた(承認期)。
この変化により、B氏は連絡を控え、行動を止める勇気を持てるようになった。
時間の経過とともに、B氏の心理的安定が回復し、A氏も少しずつ落ち着きを取り戻した。
やがて短い返信が届いたとき、B氏は感情をぶつけずに「理解」を優先して受け止めることができた。
このやり取りを通じて、両者の間に新たな信頼の芽が生まれ、危機は「終わり」ではなく「再出発」となった(適応期)。
Ⅵ.考察
本事例をフィンクの危機理論に照らしてみると、危機は人間関係の破綻ではなく、成長の契機であることが明らかとなった。
危機の初期段階では、B氏は感情的反応に支配されており、看護的視点でいえば「支援者が対象に依存していた」状態にあった。
しかし、沈黙を受け入れる過程で“支えるとは、相手のペースに合わせること”という理解が芽生えた。
この変化は、ペプロウの人間関係論における「自己洞察」とも一致しており、支援者自身の成長を促すものである。
また、A氏もB氏の沈黙と穏やかな態度を通じて、「理解される安心感」を少しずつ取り戻したと考えられる。
このように、危機は一時的に信頼を崩すが、お互いが学びを得たとき、その絆は以前よりも深く強固なものとなる。
B氏にとってこの経験は、看護実践における「being with(ともに在る)」という姿勢を実感的に学ぶ機会となった。
Ⅶ.まとめ
本事例から、危機とは関係を壊すものではなく、相手と自分を見つめ直し、関係を再構築するチャンスであることが明確になった。
B氏は「行動する支援」から「静かに待つ支援」へと成長し、A氏も安心の中で自分の気持ちを整理できるようになった。
危機を乗り越えた結果、2人の関係は“支える・支えられる”という非対称なものから、“理解し合い共に歩む関係”へと変化した。
看護の本質は、患者や家族だけでなく、人間関係全般においても通じる。
本事例を通して、筆者は**「危機を通して人は成長する」**という理論を、自らの経験として体得した。
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