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ゆう(低浮上中)
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青年は、妻が一番好きだった花を、庭で大切に育てていました。それは、秋に咲く小さなコスモスです。夏が終わり、コスモスのつぼみが膨らみ始めた頃、妻は言いました。
「ねえ、あなた。今年のコスモスは、いつもの年より元気がいいわね。きっと、秋にはたくさんの花を咲かせてくれるでしょう」
妻は、秋になったら二人で庭に出て、満開のコスモスを見たいと、何度も何度も話していました。しかし、その妻の体は日に日に弱っていきました。
そして、ある朝、妻が目を覚ますと、青年は満面の笑みで言いました。
「見てごらん、もう秋だよ。ほら、庭のコスモスが、こんなにきれいに咲いている」
妻は、信じられないという顔で窓の外に目をやりました。しかし、窓の外には、まだ緑の葉をつけただけの、コスモスのつぼみしかありません。
「どうしたの、あなた? コスモスはまだ咲いていないわ」
妻はかすれた声で言いました。すると青年は、庭に駆け寄って、コスモスのつぼみを一つ摘むと、それを妻の元へ持って行き、言いました。
「これは、君のために咲いた、世界でたった一つのコスモスだよ。僕には、そう見えるんだ」
そう言って青年は、コスモスのつぼみを、妻の枕元に飾りました。妻は、つぼみを見つめながら、静かに涙を流しました。
「嘘つき…」
妻はそう言って、青年の手を握りました。青年もまた、涙をこらえながら、妻の手を握り返しました。
「ごめんね…でも、僕は君が笑ってくれるなら、それだけでいいんだ」
その年の秋、コスモスは満開の花を咲かせました。しかし、妻は、その花を見ることなく、静かに息を引き取っていました。青年は、妻の枕元にあった、しおれたコスモスのつぼみを、大切に拾い上げ、そっと胸に抱きました。
青年は知っていました。妻が涙を流したのは、嘘に気づいたからではなく、その嘘に込められた、青年の深い愛情を感じたからだということを。そして、その嘘は、妻が最期まで希望を持って生きるための、優しい光だったのです。

コメント
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とんか

ひでき
おはようございます。
曇り空。日中は雨の予報です。
秋の読書は講習テキストとなりダウンロードしました。電子書籍は始めての経験。
結構なページがあり慣れないので読みづらいです。
楽しくない読書です。

べんざ

こもり

とや ( :

ウメタ
ホッとした方多いかもね
来季楽しみにしているよ
#山縣秀

まおそ
せいゆー(生鮮食品)
無印
ビヤードパパ
食器ちょっと見る(近くの食器屋さんいく?)
(OK(既製品系))
片付け(ロフトも)
衣替え
掃除
在庫チェック
通販準備
金勘定
防犯グッズ申請

にゃん

一葉🍃
親戚か近所のおばちゃん目線になってる

白米炊
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ラーメン
お前ふざけんなよ! 引き込まれたじゃねえか!! [大泣き]
緑のしずく
切なすぎる愛の話🥹
唯斗 RX-93ν
感動😢😢 文学の才能を感じました☺️