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しがない財団職員

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あの一人ぼっちの放送室。私が囚われ続けた異常。
誰もが自分を忘れてしまう、そういう異常。
だけど、私は覚えている。覚えてなきゃいけない。

涙ぐんだ瞳の中に、覚悟の光が宿っている。恐怖にこわばった顔の中に、優しくぎこちない微笑みを残そうと必死になっている。
そして彼は震える手で私の頭を少し撫でて、こう言ったのだ。

『よう、お嬢ちゃん』、と。

「…覚えていますか?」

声が震えた。

「ずっと長い間、私はここで迷子になっていて…貴方に助けて貰いました

私は、楽しく生きてこれました!ありがとう、ごめんなさい、私は貴方の優しさに甘えます!貴方を覚えて、生きていきます!」

涙を拭いて、静寂が戻った冷たい廊下の先を見つめる。

その時、ジジ、とノイズの音がした。
ハッとしてみんなが天井の音声機器を見上げる。

ノイズが続く。
そして。


...久しぶりだな
お嬢ちゃん

アナウンスが鳴った
            by.進路相談
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コメント

しがない財団職員

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少女の言葉でじわじわ削られて、最後のDクラスの言葉で気づけば、目から雨が

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