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【小説家の彼の裏側から】８　#まる婚活

「話が脱線しちゃったわね」
『最後のデートのコツ…　来月のための１個って何ですか？』

「あ～　クリスマスの予定を聞きなさい」
『あ、はい』

結構普通であった。

『…でもあの人、【年末辺りは忙しい】って言ってました。仕事の打ち合わせで県外に行くみたいです。
だからクリスマスは忙しいんじゃないかと…』

「無理やりねじ開けさせなさい」

…マジですか？

「【あたしのために空けなさい！】って言うのよ！！」
マジですか！？

「これがどういう意味かわかる？」
いやもう女王様だってことしか。

「【あたしには大切なクリスマスを過ごす相手はあなたしかいない】って圧力なのよ。
【もうあなた一筋なの】って意味なのよ。

【私はあなたを第一に考えている。あなたのことしか見ていない。あなたしかいない。
…あなたはどうなの！？　察しろよ！！】
っていう暴力なのよ」

Oh,暴力。
言葉で殴ってくる系女王様。

「男って本当に鈍感だから、それくらいがちょうど良いの！」

『でもやっぱりお仕事を邪魔するのは駄目だと思うのですが…』

「それお泊まりの出張なの？
出張前に会えないの？
24日の午前は？
25日の夕方は帰ってこないの？
ディナーだけでも駄目なの？

仕事を断れって言ってるんじゃないのよ。
24時間労働じゃあるまいし、仕事の合間に一瞬でも会えるはずでしょ？
とりあえず、あなたは12月24日と25日は空けて待ちなさい。
その姿勢が大切なのよ」

なるほど…　と頷いてしまう。

「女も受け身じゃ駄目！
男をもぎ取っていかないと！
でも、女も男と同じ方法でガンガンと攻めていくんじゃ駄目なのよ。

男って【俺はこの人を守っていけるだろうか…】って悩みながら動いているの。
実際は守らなくても、女はたくましいから何とかなっちゃうんだけど、男は勝手にそう思っちゃう。
そこで女が男並みにバリバリ動かれたんじゃ萎縮しちゃうわけ。

だから【女の攻め方】【男の攻め方】がある。

【男を手のひらで転がす】なんて言葉があるように、女が男を【リードしやすい】【なんかテンポが合う】【心地良い】と錯覚できるようにサポートしなきゃ。

裏から手を回してあげなきゃ。
それが【女の攻め方】ってものよ！」

おばちゃんは、したたかで、豪腕な女王様だった。

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