あと一撃で自分が負ける、そんな局面に寿命によるアドバンテージで辛勝

【東大さんの所へ７】#まる婚活
私が欲しいのは「楽しい時間を一緒に過ごす彼氏」じゃなくて、「一緒に苦労をしてくれる相棒」だとしみじみ感じた。

金持ちじゃなくていい。
高学歴じゃなくてもいい。
嫌な話を腹割って話せる人がいい。
私の真剣な気持ちを馬鹿にしない人がいい。

私はこれから先の人生、悲しい事や苦しい事が少なからずあると思っている。

そんな時に「大丈夫だから一緒に頑張ろう」ってお互いを励ましていける関係を築ける人が欲しかった。

でも彼とはそんな関係が築ける気がしなかった。
私の切実な話は「いやいや…」で流されていくような気がした。

彼は精一杯に素晴らしいデートプランを考えて、「女性がお嫁に来るのに悩む箇所」をリサーチして、ある意味、勝負に挑んできた。

それはそれで素晴らしいと思う。
一緒に楽しい時間を過ごす事を重視する女性だっているのだから。

でも私とは合わないような気がした。

「今日はありがとうございました！楽しかったです！」と彼は笑顔で言った。

『私も楽しかったです。何から何までご用意頂いて、お支払いもして頂いて、本当にありがとうございます』と私はお礼を言った。

「…次はどこに行こうか？」
間髪いれずに彼は攻める。

「今回、遊び足りないなって思ったところはあった？　もうちょっと遊べるところが良かったね」

またそういう戦略なのか？

彼は私に今回のデートのまとめをさせることで、次のデートへの足掛かりを探り始めていた。

そして気付けば敬語が無くなっている。
やっぱり攻めている…
私は攻められている……！！

デート中、物産館を見ていた時に何気なく『この写真に写ってる野菜は葉っぱの形が面白いですね』と私が一言を発したことがあった。

それに対して「なるほど…　そこに着目するのか…」と、彼は共感ではなく私を観察していたこともあった。

わ、私は観察対象か何かなの…？？

そのせいか、どうしても『彼は戦略を立てて動いている』としか思えず、警戒してしまう。

ひとつひとつは普通だ。

「ここまで来るのは大変じゃなかった？」と聞かれるのは当たり前だし、
話の途中で敬語が無くなっていくのも普通の事、
「次はどこに行こうか？」なんてデートの終わりには当然の言葉…

なんだけど、鳥肌から、いつの間にか警戒でビンビンに毛を逆立てている私がいた。