幸四郎さん松王丸、後半お家に入ってきてドンと座ってから、千代の嘆きを聴いているあいだもジッと前を見つめている姿。この人のこの先にあるのは無限に続く無明荒野、千代と二人手をとってさびしく歩んでいくその風景が眼前に広がり、圧倒され、慄いた。