大学のレポートでも書きましたが、この「母と名乗るもの」を甘く見ると、日本社会ではとんでもないことになります。「樹影譚」もそうですが、たとえば京極夏彦の『姑獲鳥の夏』、新世紀エヴァンゲリオン、全て男性的な近代的自我を崩壊させようとしてきます。これは単純な母性ではなくて、自我をとろけさせる心地よい無我という死です。