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(朝。男はベッドで目を覚ます)

「パンが焼けました。完了ボタンを押してください」

その声は機械的で無機質だが、どこか僕を責めるように響いた。

パン焼き器は仕事を終えた。だが、終わりを告げるのは僕の手だ。

ここに「完了」があるのだろうか。そもそも終わりとは何だろう?

すべては連続し、区切りは僕らの都合でしかない。ボタンを押せばその瞬間に区切りがつくけれど、実際には何も変わらないのかもしれない。

だから今朝は押さなかった。

冷めたパンのように、完了しない時間の甘さを、静かに噛みしめながら。
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