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まさ

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【備忘録】



月輪信仰と、「sin」の記憶。



先日、朧月を見た。四月の曇り空の中、ぼんやりと空を照らす月は、白く淡い輪郭の桜と重なって、ひときわ美しく感じられた。
さて、太陽を神とする信仰は、多くの時代、多くの土地で見られる、きわめてポピュラーなものだ。だが、世界には月を神聖視する信仰「月輪信仰」もまた、確かに存在する。
たとえば、イスラム圏の三日月、狩猟民族アボリジニーのドリームタイム、中国の嫦娥、仏教における月輪の象徴、そして、日本神話の月読命(ツクヨミ)。
これらに共通するのは、かつて人々は太陽よりも、月を信じていたということだ。太陽は自ら輝く。けれど、月は他者の光を映す。そして、消え、現れ、欠けてゆく。
その満ち欠けの律動に、古代人は「死と再生のリズム=命の時間」を見出した。
この“時を司る神”こそが月神である。
古代メソポタミア、ウル第三王朝。そこでは、月神 Sin(シン)が、国家の中心に祀られていた。王たちは自らを「月神の子」とし、「シュ・シン(Shu-Sin)」と名乗った。王とは、神の代理人。神殿とは、月の律動をこの地に写す“容れ物”だった。「Sin」という音のなかに、人々は、“見えざる秩序”と、“沈黙の統治”を聴いた。
この月神信仰は、永い時間をかけ東方へと伝播していく。夜や再生を司る月の神は、インドではチャンドラ、中国では嫦娥、そして日本では、月読命として語られるようになる。
月読命は、天照大神・素戔と並ぶ“三貴子”の一柱でありながら、その姿は、ほとんど物語の中に残されていない。語られぬ神。沈黙の神。
だがそれは、力を失ったからではなく、語られないほどに、強い神性を秘めていたのではないか。
では、月読命とは何者か?それは、ウルの月神 Sin と同じく夜の静寂と律動を支配し、
生と死のリズムを統べる王である。
ウルの王、「シュ・シン(shu-sin)」。
中国の祖霊、「シェン(shen)」。
日本の「神(しん)(sin)」。
この「Sin(シン)」という響きのなかに――
もし、古代の月神の記憶がかすかに息づいているとしたら?
“神”とは、姿や力ではない。律動と静寂を通して、世界を支える“響き”だったのかもしれない。沈黙の月は、語らない。だが、「Sin」という名のなかにその声は今も、静かに、私たちの内に、生きているのかもしれない。
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コメント

まさ

まさ 投稿者

0 GRAVITY

…いつもより無理やりだね、うん。

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エレクト(かわいい)
エレクト(かわいい)
こういう無理やりのことをロマンと呼ぶのだと思っています そして、ロマンから生まれたものが科学であることもあると思います
1 GRAVITY
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