ゼロカウンターの現実：強敵に9割勝利の真実

ドアを開けるとコの字カウンター、先客は４人、ビールをお願いして、私がビールを飲もうとすると、「かんぱ〜い」と皆さんがコップを上げました。
そういう所か、もちろん私の好きな雰囲気です。年齢は20代から30代、全員男です。

右側の男性はお腹が空いたようで、ずっとメニューを見ていました。私も何か注文しようと壁のメニューを見ていたら、ママがやってきて、彼の持っていたメニューを取り上げ、私に持ってきました。

「はじめましてですよね、メニューに書いてなくても何か食べたいものがあれば、材料があればできるので言ってください」

すると、周りの人は

「担々麺」
「親子丼」
「カツ丼」

「あんたたちには言ってないの」

「担々麺」からみんなラーメンの話になりました。その「担々麺」と言った人は

「本場では担々麺は汁無しです」

ん？と思いました。よく中国に旅行に行かれる人だなと彼の印象が頭の中にきざまれました。

他に大阪八尾市出身で、上京して２年目の人がいて、彼から私の「関空」の発音が

「それ完全に東京弁です、大阪弁を忘れてしまったのですか？」

との指摘、そうなのかもしれません。担々麺の兄ちゃんは「ちゃうちゃう」という言葉を発しました。ただこれは関西弁を真似しているエセ関西人だなと思いましたので

「ちゃうちゃうを知っているのですね、ちなみに出身はどこですか？」
「てんしんです」

一瞬、頭の中がバグりました。その知っている都市名は日本ではありません。

「天津飯の無い天津です」

彼は中国の方でした。しかも日本に来て２年目、飲み屋で酔っ払い相手に何ら違和感なく混じわられる日本語でした。

お店のドアが開きました。みんな一斉に見ました。若い兄ちゃんです。みんな

「なんだまた男か、いつか女性がここに来てほしいな」

すぐママが出てきて

「女性の私がいるじゃない」

若い兄ちゃんは皆から「まつじゅん」と呼ばれていました。あだ名だそうです。言われて検索してみると「松潤」のことで確かに顔が似ています。みんなから

「まつじゅんに彼女できたら、ここ出入り禁止だから」

と言われていました。
ほんと楽しい飲み屋でした。
また行きたいと思います。

ゼロカウンターやるなら強敵に8割勝利と言ったけど実際は9割以上欲しいてのが本音です