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マーケットは想定通りの波乱。
ナスダックの下落は一時-6%に迫る勢い。

短期筋の動きに個人投資家が狼狽して投げている姿がザラ場の向こうに透けて見えるが、青二才だった頃の自分が見える様でなんとも微妙。

トランプ関税による世界経済の悪化懸念が話題となっているが、本当に問題となるのはその先だと言うことを理解している人間は殆どいないのではないか。

各国の中央銀行がお金を刷りまくることでリーマンショックから立ち直り、コロナを凌いできたが、その悪手によって自らの両手を縛ってしまったFRBにスタグフレーションを止める手段は残されていないのだ。

その事を100も承知のベッセントの頭の中には何か秘策でもあるのだろうか。

トランプはこう言っている。

「貿易赤字は国家非常事態だ」と。

そしてそれはおそらくマーケットを知り尽くした男ベッセントの考えであり彼の頭の中はきっとこうなのではないか。

「たとえ世界経済が大混乱になろうとも、国家を救うときだ」

トランプの掲げるアメリカファーストそのものだ。

リーマンショック、コロナショックでは恐慌を回避するために経済が救済されてきたが、レッドラットラインを超えてしまった今は非常事態であり、世界経済を犠牲にしてでも米国を救う以外に道はない、と言うことなのだろう。

NYの波乱に伴って米金利は低下、今のところベッセントの想定どうりというわけ。

ただし、ベッセントに秘策があれば別だが、世界経済は今マーケットに携わっている者誰1人として経験したことのない100年に一度のグレートリセットに向けていよいよ動き始めた様に思えてくる。そうだとしたら、来たるスタグフレーション、いやインフレに対抗する手段が残されていないとしたら、ハイパーインフレーションも視野に入れなければならない。

いや、むしろベッセントは、多額の借金の利払いを多額の借金で賄うという自転車操業に陥った米国を、金利を押さえてインフレを加速させることでリセットする腹づもりか。

それはまさに世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター率いるレイダリオ氏が語るシナリオに他ならない。

ベッセントの頭の中は定かではないが、かつてポンド危機を引き起こした男がこれから何をするのか世界は固唾を飲んで見守ることになるだろう。

米本土よりもインフレの影響甚だしいホノルルは今日も安定の26℃。
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