春の訪れと共に見つけた、私にも出来る小さな幸せ

2025-03-07あなたは愛を使って幸せになれる1⃣

『私でもできること』

春風がすり抜けていく。
雨が上がり、空が一段と輝いている。
今日はどこへ行こう。
久しぶりの休日。

雲が色々な形になって流れている。
馬のようにもなる。
鳥のようにもなる。
偶然にそうなるの？
あの雲は生きているの？

春の気配が立ちのぼる。
重いコートを脱ぎ捨てて、買ったばかりのジャケットに手を通す。
心が動き出す。
ビルの陰から太陽が顔を覗かせると、辺りは急に光り出す。
影は消えて、どこもかもが白く輝く春の魔法。
風が木々の葉を揺らし、頬を撫でては過ぎていく。
この風はどこまで行くのだろう。
遠い遠い国の彼方、美しい目の子供たちのところへも
その柔らかさを届けに行くのだろうか？
私の上にある空は
異国の遥かな旅路の果てまで続いて
世界中のどこへも続いて
たくさんの人の幸せをのぞいてる。

悲しみの上にも立ち止まり、じっと寄り添うように見つめている。
空が生きているのだとしたら。
私はここ、平凡だけれどささやかな日常を
何かの力で支えられて生きていられてる。
この空はあらゆる場所で、誰も見ていないものも見ているのだろう。
誰も知らないことも知っているのだろう。
秘密をそっと胸にしまって
その誰かと温めては、また流れていくのだろう。

春は誰の上にも来る。
涙を拭うように、強い日差しで背中を温める。
春って目に見えるものではないけれど、確実に人のこころをほぐしてくれる。
この春を、この光を、誰もが同じように感じられる世界。
ただそれだけを願っても、こんなにそれが難しいという現実。

この空はそれを知ってる。
私には見えないものを。
人間は、見えないものはないものだと思いがち。
でも、見えないだけで、感じようとしないだけで、切実な現実はどこにもある。
私も見ようとしていないだけ。きっと。
自分が幸せであること、それで精一杯に生きてるだけ。

見えてないものを見ようとすること。
知らないことを知ろうとすること。
それがはじまりなのかもしれない。
なんでも。