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大介
あれは…いつだったか…、
それすらも、覚えていない一つの出来事。
一人の人間が死んだ。
えにしのある人間ではあったが、そのえにしは、とうの昔に薄れていた。
私は、その人物の死に目に会っていない。
立ち会えなかった訳ではない。
立ち会わなかったのである。
それ程までに、我々のえにしは薄れていた。
しかし、まだ納棺前の死装束の彼とは対面した。
その彼の唇に末期の水を含ませ、立ち去ろうと背を向けた刹那、自分でも説明のつかない涙が溢れて止まらなかった。
私は、その涙を彼の親族に悟られまいと堪えてみたが、無駄だった。
親族の方々も、私の心中を察してくれたのか、そっと見送ってくれた。
そして再び時は流れた。
ある日、私は新しく銀行口座を開くこととなった。
その時に…ふと、彼の事を思い出し、キャッシュカードの暗証番号を彼の命日にし、職員に渡した。
すると、その職員は、
「この数列はご使用になれません。お客様のお誕生日の数列です」
と私に告げてきた。
一瞬、私はその職員の言葉が理解出来なかった。
そして、いま一度、その数列を確認して、ハッとした。
彼の命日は、10月02日。
私の誕生日は、02月10日。
二人の月と日を入れ替えれば、まったく同じ数列となる。
私は動揺しつつも、ひとまず全く異なる数列を暗証番号にし帰路についた。
自分の部屋へと帰った私は、名状し難い感覚のまま、仰向けに横たわっていた。
私は早くから、無頼の輩として生きていかざるを得なかった。
そのゴミクズのような私を、常に気に掛けてくれていた叔母が一人だけ存在していた。
その信心深い叔母は以前、私にこう言っていた。
「あの世と、この世は繋がっているのよ。決して別の世界ではないのよ。」と。
私はなんらの信心も持たないゴミクズではある。
しかし、あの日以来、叔母のその言葉は私の心の奥底に染み入ったままである。

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過呼吸を救助して生かす。
じゃそういう事で(・ω・)ノシ
#teljin

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別にすでに公式からお出しされてるからネタバレでもなんもないけど
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🌕うさちゃん🐰🥕
大切な人との別れ 亡くなった人は姿は見えなくなっても、心と記憶の中に生きていると今も信じています
かわざかな🐟
魂の共鳴を起こしているかのようですね 叔母様の言葉がまたそれを裏付けてくれているように思いました[照れる]
Mei🫧 🎼🐈⬛💞
大介さんも誕生日2月なのね!仲間[大笑い]
𝒦ℰ𝒮𝒰𝒦ℰ ⋆☽·̩͙
大介さん2月10日が誕生日なんですか(˙˙*)?
𝒦ℰ𝒮𝒰𝒦ℰ ⋆☽·̩͙
同じですねꉂ🤣𐤔 ビックリしました😂