実写版『十角館の殺人』は期待以上！映像化不可能に挑んだ手法とは

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加遠留

2025/01/10

実写版『十角館の殺人』は面白かつた。

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原作の映像化不可能と言はれた部分は、きちんと映像化されてゐた。「成程。かういふ手があつたか」と思つた。これを成立させるために映像全体が“さういふ風に”巧く撮影されてゐた。

🌠✨️

中村千織の死因が原作から多少変更されてゐた。一寸残念。漫画版（僕は読んでゐない。）では全く違ふ死因に変へられたさうだ。それに比べたらまだ良心的なのかしらん。

「エタノールは薬物である」といふ認識を欠いてゐる故の、アルコール・ハラスメントに寛容な風潮は（以前と比べればマシになつてはゐるのだらうけれど）まだまだ根強いのだらう。

🌠✨️✴️

原作は、アガサ・クリスティーの小説『そして誰もいなくなった』のオマージュでもある。『そして誰もいなくなった』に使はれてゐた叙述トリックと同様のトリックも使はれてゐる。このトリックは、『そして誰もいなくなった』ではさり気なく使はれてゐたので、トリックだと気付かれ難いものだつた。『十角館の殺人』では謎解きの部分で「あれはトリックだつたのだ」とはつきりと分るやうに描かれてゐる。

このトリックは、映像化不可能といふやうなものではない。しかし、映像化しても余り効果的ではないやうなタイプのものであるやうだ。実際、僕が見たことのある『そして誰もいなくなった』映像化作品では、このトリックが再現されてゐなかつたと思ふ（単に、映像化作品の作り手がこのトリックに気付かなかつただけなのかも知れないが😁）。

このトリックは、実写版『十角館の殺人』で描かれてゐた。それも、これを成立させるために“さういふ風に”。とは言へ、「あれはトリックだつたのだ」と視た人皆が気付いただらうか。『そして誰もいなくなった』と同様にさり気ない描写だつたから。さて🤔

#十角館の殺人

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