過去は不完全な記憶の集合体なのに、大人になると洗練されたものばかりだったと勘違いしてしまうことがある。美しなかったものすらひどく懐かしむように手にとってしまう。それは傲慢でも強欲でもなく単にアクセスが容易なだけだ。疲れも対価となる時も不要であれは仕方ない。ただ、それが痛みだ。