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【小説家さんとゾウさんを見に行く２】#まる婚活

そういえば、前回の映画館で気になることがあった。
映画館の上演時間を待つ間、彼はチラシコーナーに立っていた。
その時、私と彼は今後の上演チラシを見ながら「他に見たい映画はありますか？」なんて話をしていた。

あの時…　彼は地元のイベントチラシも見ていた。
そして彼は眺めるようにチラシを見て…
ひとつだけ長く見ているチラシがあったな…
あれは確か…　美術館だった。

今度はあの美術館を提案してみよう。
彼の最寄り駅からバスで行けばすぐに着く。
イベント開催期間ならネットで調べられる。

私は彼に美術館への誘いのラインを送ろうとした。
その矢先…　彼からラインが来た。

「今度、かき氷食べに行きませんか？」

・・・風邪引くよ。

「この前お会いした時、アイスクリームとか好きだって言ってたから」

言ってたけど、もう11月で寒いんだわ。
冷え性の私がそんなの食べたら壊死しちゃうんだわ。
食いたいのはタコ焼きとタイ焼きなんだわ。

しかし、意外なことに気がついた。

…この人から誘ってくるのって初めてじゃないか？

やはりこの人、変わってきている。
なんかよくわからないけど、すごいスピードで変わろうとしている！

これまでのデートを通してみても『早くお別れした方がいいんじゃないか』と思うばかりだったけど、この瞬間に【彼の持つ可能性】…
秘められたポテンシャルの高さに気がついた。

この人…　実はすごく…
すごく頑張り屋なのか！？

最初に会った時は自慢ばかり。
２度目に会った時には自慢より業界の話。
そして三度目の映画館ではほとんど敬語で自慢は減っていた。

最初の頃ラインは一週間に一回の業務連絡。
それから「好きな音楽は何ですか？」と唐突で一方的だが、業務連絡ではない話をするように。
そして今、彼は初めて自分からデートの誘いをかけるようになった。

上がっている…
行動の精度が上がっている…！！

明後日の方向に向かって走ってばっかりの男が、徐々にこちらを向き始めている実感があった。

しかし…まだ顔が見えない。
この人の【可能性】が見えているだけだ。
次回の様子を見なければ、彼のことがわからない…と確信した。
とりあえず彼のリードに任せてみよう。

・・・・。

いや、でも11月のかき氷は駄目だろ！！！

3/28山陽ミッド9R制