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りら🌙
『ミツバチのささやき』評論やらを読みたくてパラ読み。
面白かったのは以下2篇。
本田和子「少女語り」
倉林靖「夢想する身体ーバルトゥスの描く少女たち」
「少女語り」で述べられるのは、『ミツバチのささやき』は「成長しない少女」の神話であること。ことばは差異の体系として分節化の機能を果たし、大人になることはそれを受け入れ定着化させる意識世界への歩みを意味する。そのあらゆる差異を無化したのがアナであると。この、差異の体系としてのことばというのは山尾初期作品の解釈でも登場する。
「そのような男や女という差異を枠組みとするまなざしそのもの、あるいは、〈男〉〈女〉等〃といった名付けによって、〈男〉でも〈女の子〉でもない何者かである自由を奪われ、存在をピン留めされてしまうことこそが、ここで拒絶されているものの正体ではなのではなかったか。」
「世界そのものが言葉であり、言葉が差異なのであってみれば、それに対する拒絶が世界を崩壊させるのは必定である。月のおもてを覆い隠す霧が払われるとき、光は水に、水は光になり、鳥と魚が交錯する。物事をわけ隔てていた差異の消失した世界は滅びを迎えるだろう」(金沢英之「鏡と影ー「ムーンゲート」と初期山尾作品をめぐって」『夜想#山尾悠子』)
「遠近法」における「世界は言葉でできている」の意味がここらへんにあるというものだが、とても面白い。ソシュールなぁ。
「夢想する身体」について。絵画疎いもんで、バルトゥス初めてみた気がするが、眠りが内部へ閉じこもることではなく外部との交流を意味するというのは面白いなと。
元々目的にしてた「少女映画から遠く離れてーヴィクトル・エリセ断章」は、やや著者の趣味が出すぎてるきらいがあるような(私も抑制された語りが好きなのは同じだが、ベルイマンそこまで貶めるほどでもないようなという個人的感想)
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本論と逸れますがミツバチのラストシーン大好きです。
おおくに
息が詰まるほどのアナの瞳✨ そんな難しい映画だったのか[目が開いている]
りら🌙 投稿者