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🐩皇藍猫🐩
任務を終えた夜の街は、静かだった。
帳は解け、呪霊の気配も消えたのに、
藍猫の胸の奥だけがまだ少しざわついている。
夜風が冷たく頬を撫でた。
藍猫が無意識に肩をすくめると、すぐ隣で悟が気づく。
「寒い?」
軽い声。
でも目はちゃんと藍猫を見ている。
藍猫は小さく首を振った。
「……大丈夫」
悟は笑う。
「大丈夫って言う藍、信用できないんだよね」
次の瞬間、悟は自分の上着をふわりと藍猫の肩にかけた。
距離が一気に近くなる。
藍猫が瞬きをする。
「悟…」
「はいはい、黙って着て」
悟は余裕そうに言うくせに、指先はやけに丁寧だった。
傑の足が止まる。
「悟」
悟が振り返る。
「なに?」
傑は静かに藍猫を見る。
「藍猫ちゃん、冷えていないか」
藍猫は上着の温かさに包まれながら、小さく頷く。
「……ちょっとだけ」
悟がすぐ言う。
「ほら、寒いじゃん」
傑は一歩近づいて、藍猫の手元に視線を落とした。
「手が冷たい」
藍猫は自分の指先を見て、少しだけ困ったように笑う。
「……夜だから」
傑は迷いなく、自分の手袋を外した。
そして藍猫の手をそっと包む。
熱が伝わる。
悟の声がすぐ飛ぶ。
「え、傑それずるくない?」
傑は淡々と返す。
「何がだ」
「自然に手握るの、ずるいでしょ」
傑の目が細くなる。
「悟が上着をかけたからだ」
「俺は肩!傑は手!」
「どちらも同じだろう」
藍猫は真ん中で、息を呑む。
ふたりの体温が左右から伝わってくる。
悟が藍猫の顔を覗き込む。
「藍、怖かった?」
藍猫は少し迷ってから、小さく頷いた。
「……うん。でも」
悟が口元を緩める。
「でも?」
藍猫の声は小さい。
「ふたりがいたから…平気だった」
その一言で悟の表情が一瞬止まる。
傑の指先もわずかに強くなる。
悟が笑う。
「藍、それ反則」
「……反則?」
「そういうこと言われたら、もっと守りたくなる」
傑も静かに言う。
「藍猫ちゃんは、守られることに慣れすぎない方がいい」
悟が即座に噛みつく。
「え、なにそれ。守るのやめんの?」
傑は悟を見ずに続ける。
「違う。……私たちがいない時も、君が君でいられるように」
その言葉が優しすぎて、藍猫の胸がきゅっとなる。
悟は少し黙ってから、藍猫の髪に指を落とす。
「でもさ」
悟の声は低い。
「俺は藍が弱いとこ、嫌いじゃない」
藍猫が見上げる。
悟は笑っているのに、目だけが真剣だった。
「頼ってよ」
傑も同じ温度で言う。
「藍猫ちゃん。君が望むなら、私はいつでも隣にいる」
夜道の街灯が、三人の影を長く伸ばす。
幼なじみの帰り道。
けれどその距離はもう、幼なじみじゃない。
藍猫の肩には悟の温かさがあり、
手には傑の熱がある。
そしてふたりの視線は、どこまでも藍猫だけを追っていた。
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苓

そら
声優しくて、一途で、面白くて安心感とドキドキどっちもある人
(弾き語りできる人かっこいいよね)
ダガー
ダンデライオン

ユリ
今は余裕で出来るようになってて
成長感じる〜


戯言
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きぅり

窓際テ
目標だった当たり屋1こと朝日奈夕子攻略おめでとう!
夕子に対するこよちゃんの反応が全部おもろかわいくて楽しかったー!
選択肢ですれ違いがあったりするのも見所だったw
最終的には爆弾処理に追われる運命だったねw
明日は誰を攻略するのか楽しみ!
#こより実験中

きぅり

Elise L -
あーこの国はどの建物も天井高いんだな
うちは人々みんな背高いのに天井はあれの半分くらいしかなくて家具の高さは1.5倍くらいあるんで不思議なもんだよな…
赤ちゃんの頃から記憶残ってたんでそれぼんやりと感じてたなとか考えてた

花雨
いいよね面影ちゃん。明石さんにはきっとそういう子が必要だったんだよ。

きぅり

安藤

まいけ

にゃち

安藤
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