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ゴトー(と🐱)
新婚当時、妻の味噌汁はごく普通に具だくさんだった。大根、人参、わかめ、豆腐、時には豚肉まで入っている。新妻の料理にいちいち口を出すのもどうかと思い、私は黙ってそれを食べていた。美味しくないわけではない。ただ、どこか落ち着かなかった。
転機が訪れたのは、ある日の夕食である。妻が運んできた椀を見た瞬間、私は一瞬それが味噌汁だと分からなかった。表面を覆うのは具、具、具。。。箸を入れても、なかなか液体にたどり着かない。「ちょっと作り過ぎちゃって」。妻はそう言って笑ったが、私は思わず口にしてしまった。
「……味噌汁って、『汁』なんだぞ」
妻はきょとんとした顔をする。
「え? 味噌汁は具でしょう。具が多いほどいい味噌汁じゃない」
いやいや…、と私は内心でうめいた。もう一度、言葉を選びながら言い直す。
「味噌汁ってのは、『汁』が本体なんだ。俺は味噌汁では汁が飲みたいんだ。
極端な話、『具がなくても味噌汁は成立する』」
「具のない味噌汁なんて、それは味噌汁じゃない!」妻はきっぱりと言う。
もちろん、私だって具の役割を否定しているわけではない。豆腐は舌触りを、わかめは磯の香りを、野菜は甘みを汁に与える。
だが、それはあくまで「影響」であって、「主役」ではない。出汁を取った昆布や鰹節を取り出しても、それが出汁であるように、具を引き上げても残るものこそが味噌汁なのだ。
しかし…それは妻の「味噌汁」の認識とは違っていたのだ。
その日以来、我が家では折衷案が採用された。鍋の中は相変わらず具だくさんだが、盛り付けの段階で私の椀にはできるだけ汁だけが注がれる。妻は具を山盛りにし、私は透明に近い褐色の液体を啜る。二人とも、自分の「味噌汁」を手にしている。
たまに、妻の椀をのぞき込むと、もはや煮物にしか見えないことがある。妻が私の椀を見れば、これはお吸い物ではないかと思うらしい。それでも、同じ鍋から生まれたそれぞれの一杯を前に、私たちは今日も食卓を囲んでいる。
もはや論争はしていない。私たちはそれぞれの求める味噌汁を食べて満足している。今日も我が家は平和そのものである。
コメント
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りゅーじ
『Water Proof』
撥水加工みたいなのも可愛いですよね
香りも飲み口もフルーティーだけど
さっぱりしてて飲みやすい



*かず*

珠歌

赤鷹
回答数 264>>
絹
あの頃の私たちにももう戻れないみたい

あかの

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